PCの大量導入や障害復旧を支援
「PCをリフレッシュできる」、日本アタッチメイトの管理ツール
2006/11/30
日本アタッチメイトが11月27日に発表した「WinINSTALL」は、企業におけるPCの初期ソフトウェア導入(キッティング)やパッチ管理、障害時の復旧を中核的な機能とするデスクトップ管理ツールだ。「資産管理やセキュリティに重きを置いたデスクトップ管理ツールは多いが、この分野に注力した製品は少ない」と同製品を国内総代理店として販売するサイバネットシステムのネットワークソリューション部 部長 照田浩人氏は話す。
企業における多数のPC導入を支援するツールとしては、「イメージングツール」と呼ばれるものがある。しかしWinINSTALLでは、WindowsのOSやアプリケーションで広く使われているMSI(Microsoft Windows Installer)を用いたインストールをベースとしているところに大きな特徴がある。イメージングツールを使ったPC導入では、機種に応じたドライバなどの構成の違いに応じて複数のイメージファイルを用意する必要があるが、WinINSTALLの場合、各種ソフトウェアやドライバの構成をテンプレートとして設定、これを導入対象のPCに応じて適用すればよい。PCのネットワークブートからOS、ソフトウェアやパッチの導入までの一連の作業を、自動的に遠隔実行することができる。
日本アタッチメイトで同製品を担当するシステムエンジニアの駒形直樹氏は、いったん導入したPCに障害が発生した場合の復旧や新OSへの移行でも、一般のイメージングツールに優る利点があるという。イメージツールでは各PCのディスクを丸ごとバックアップする機能を使い、障害が発生した際にはその前の状態に戻す作業をする。しかしバックアップ時にはそのPCがシステム的に不安定になっている可能性もある。これに対してWinINSTALLでは復旧時にすべてのソフトウェアを再インストールするため、対象PCを「リフレッシュすることができる」(駒形氏)。WinINSTALLには、PC上のユーザー設定やユーザーデータをバックアップする機能もあり、障害復旧時にはソフトウェアの再インストール後にこれらを適用することが可能だ。
サイバネットシステムではPCを500〜2000台規模で利用している中堅・大企業に対して同製品を販売していく。販売に際してはPC運用の代行を行っている企業やキッティングのアウトソースを受託する会社などをリセラーとして開拓する。同社ではWinINSTALLを20〜30億円のビジネスに育てていきたいという。
日本アタッチメイトのデスクトップ管理ツールには「NetWizard」という別製品があるが、こちらは新バージョンが提供される予定はなく、WinINSTALLが事実上の後継製品となる。
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