開発プラットフォームにもSOAの波

日本IBM、SOA関連ツールをUMLに統合した新製品発表

2006/12/12

ibm01.jpg ソフトウェア事業 Rational事業部長 小島英彦氏

 日本IBMは12月12日、SOAに基づくアプリケーションの設計と開発機能を大幅に強化した開発ツール群の新バージョン「IBM Rational Software Delivery Platform V7.0」(以下SDP V7)を12月23日に発売すると発表した。価格は26万9535円から。

 Rationalブランドは、2002年に米IBMが買収した米ラショナルソフトウェアから引き継いだもので、Lotus、WebSphere、DB2、TivoliといったブランドとともにIBMのミドルウェア群を構成する。

 米ラショナルソフトウェアはUMLを開発したことで知られ、SDP V7はSOAの設計や開発機能を標準化してUMLに取り込んだ。「SOAは流行し始めているが、概念的な話ばかりであいまいなまま。SDP V7は具体的なメソッドを実装したツールとして提供する」(ソフトウェア事業 Rational事業部長 小島英彦氏)。SOA設計の要となるツール「Rational Software Architect V7.0」は、企業全体の現状とあるべき姿を記述、整理するためのツールとしてエンタープライズ・アーキテクチャ手法を活用できるという。また、同ツールでは設計したモデルと実装コードに不整合が生じてしまった場合に、比較とマージが容易にできる。常に設計図をコードとリンクさせることで、地理的に分散したチームでの大規模開発などで威力を発揮するという。

 SDP V7では「要求分析・要件定義」、「設計と構築」、「ソフトウェア品質管理」といった目的別に13種のツール群を提供する。ツール群には開発プロセスに直接関わるものだけでなく、バージョン管理やソフトウェア構成の変更を管理するツールや、プロジェクト全体の進捗(ちょく)・コスト・品質管理を行うツールも含む。そのため、これまでのバージョンではDevelopment Platformと呼んでいた製品名を「Delivery」に改名したという。

 また、今回SDP V7では開発環境としてオープンソースの「Eclipse」もサポート。サポート対象の開発言語としてはJavaのみとなるが、1人当たり年額5万7200円で電話やWebによる技術サポートを提供する。「企業におけるオープンソース採用の障壁を軽減する」(前出小島氏)という。

関連リンク

(@IT 西村賢)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)