独自技術を開発して実現

ジュニパー、マルチプレイサービスできめ細かいユーザーニーズに対応

2006/12/14

 ジュニパーネットワークスは12月14日、同社ルータ製品における動画配信機能を改良したとして、米ジュニパーネットワークス IPTV担当ゼネラルマネージャー ゲーリー・サウスウェル(Gary Southwell)氏が説明した。

サウスウェル氏写真 米ジュニパーネットワークス IPTV担当ゼネラルマネージャー ゲーリー・サウスウェル氏

 IPテレビ市場は現在、PCCW(香港)がシェア1位、イタリアのFastWebが2位、フランスのFreeが3位となっており、ジュニパーはPCCWやFastWebにネットワークインフラを導入しているが、市場の50%以上を獲得しているという。一般的にIPテレビというと、映像と音声、データ通信の3種類を提供するトリプルプレイサービスを連想するが、ジュニパーはより細かいユーザーニーズに対応するために、さらに細分化したマルチプレイサービスを提唱している。

 この点についてサウスウェル氏は、「このサービスでは、サービスを数十種類に細分化し、その中から欲しいサービスだけを選んでもらうので、ユーザーは要らないサービス分の料金を支払わずに済むので結果的に安くなる」と説明。例えば、オンラインゲームをメインに使用したいユーザーの場合、ゲーム用の帯域を確保してレスポンスをよくしたりする“サービスの優先順位付け”もできるという。通常のトリプルサービスでは、ゲームはデータサービスの一部に分類されるため、データサービスの中からゲームだけ選んで優先順位を上げることは難しい。「トリプルプレイサービスは、ベストエフォート型だ。一方、マルチプレイサービスはユーザーによりきめ細かいサービスを提供できる」(サウスウェル氏)とした。

 このように、マルチプレイサービスはトリプルプレイサービスでは提供できないサービスを提供しているため顧客のロイヤリティが上昇し、解約率が低下するほか、長期的に利用しているユーザーは、選択するサービスが増えていき、ARPU(Average Revenue Per User:ユーザー1人当たりの収益)が上昇する傾向にあるなど、ベンダ側のメリットも多いという。

 ジュニパーではこのようなサービスを実現するために、同社ルータ製品における動画配信機能を改良。P2MP(Point to Multipoint)接続によるLSPの機能を導入した。P2MP機能自体もさまざまな改良を施したほか、LSP(Label Switched Path)は同社が開発した「Liquid LSP」を利用する。P2MPとLiquid LSPを利用することにより、トラフィックエンジニアリングや高速フェイルオーバーなどを可能にしている。

(@IT 大津心)

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