ボトルネックの特定、分析をツールで容易に

「パフォーマンス最適化に最高レベルのエンジニアは不要」、シマンテック

2006/12/15

symantec01.jpg シマンテックのプロダクト・マーケティング部 リージョナル・プロダクト・マーケティング・マネージャ 朝倉英夫氏

 これまで経験豊かなエンジニアが行ってきたシステム全体でのパフォーマンスの最適化は、アプリケーション・パフォーマンス管理ツール(APM)を使うことで容易になる――。シマンテックは12月15日、報道関係者を集め、同社APMツール「Symantec i3」のメリットを説明した。

 APMが必要とされる背景には複雑化するIT環境がある。典型的なビジネスアプリケーションは、Webサーバ、J2EEが走るアプリケーションサーバ、データベース、ストレージと、多くのテクノロジーが関係しており、パフォーマンス低下などの問題が発生したときの原因特定が難しくなってきている。同社によれば、個別のアプリケーションのパフォーマンスを管理するソフトウェアはあるが、システム全体のプロセスを包括的に管理できる製品はほかにないという。

 Symantec i3は個別サーバのプロセスを監視し、各プロセスの処理時間を計測することで、ボトルネックの発見を容易にする。「従来の対応は、パフォーマンスに問題が発生したことにユーザーが気づき、その連絡を受けて、問題の再現、原因分析、チューニングという手順を踏む。APMでは常にアプリケーションのパフォーマンスを監視しているので、問題の発見や分析が早い」(シマンテック プロダクトマーケティング部 朝倉英夫氏)。APM導入により、ビジネスアプリケーションのパフォーマンス低下やシステムダウンによる機会損失を最小限に抑えられるという。

 また、J2EEアプリケーションのパフォーマンス測定ではソースコードレベルでロガーを埋め込む必要があるが、そのことによるオーバーヘッドが大きく、「Symantec i3ではオーバーヘッドは5%未満に抑えてある」(システムエンジニアリング本部 高石勇氏)ことも、APMツールを使うメリットだ。

 Symantec i3は、各ミドルウェアやデータベースごとに詳細分析を行う製品群を持ち、包括的なパフォーマンス管理だけでく、個別アプリケーションごとの詳細な管理もできる。例えば「i3 for Oracle」は全体から見て処理時間の長いSQL文をピンポイントで特定。さらに、シマンテックが構築したナレッジベースに基づいて有効なアドバイスを提示する。ケースバイケースの典型的なアドバイスを活用することで「最高レベルのエンジニアを確保しておかなくても、堅牢で高品質なIT環境を維持できる」(前出朝倉氏)。

 パフォーマンス最適化の面では、パフォーマンスの予測ができることもSymantec i3の重要なポイントだという。再現の難しいインターネット環境や、直接システムを変更しづらい稼働中のシステムなどで、別途環境を用意せずに数値的な評価が行え、柔軟なキャパシティプラニングが可能という。

symantec02.jpg Symantec i3の実行画面例(クリックで拡大)

関連リンク

(@IT 西村賢)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)