ウルシステムズ 代表取締役社長 漆原茂氏 年頭所感
人月モデルを脱却する1つの解、ウルシステムズの2007年
2007/01/11
ウルシステムズでは2週間に1回の頻度で「カジュアルコーヒーミーティング」という催しを行っている。朝10時から。社長の漆原茂氏が同社のコア・メッセージを語り、その後、Q&Aとフリーディスカッションを行う。完全予約制で定員は10人。同社が採用した人材の3分の1が実はこのミーティング参加者で占められているという。
人員数の増加ではなく、質の強化を目指すのが同社のスタッフに対する基本的な考え方だという。少数でも極めて優秀なスタッフを求めている。それゆえに、隔週でミーティングを開催し、企業の理念や現場の状況などを社長自ら丁寧に話すという取り組みを開始した。
同社のこのような取り組みは、企業戦略と密接に結び付いている。同社は国内のIT業界において、「発注者側」に身を置くユニークな企業である。この立ち位置は、顧客企業の戦略的なIT活用の支援に「一点集中する」(漆原氏)ことで築かれる足場である。
2004年10月にカットオーバーした丸井の営業系基幹システム開発案件において、実際の開発にあたったのは、丸井グループの情報システム会社であるエムアンドシーシステムだが、同社のエンジニア約300人に対する教育を含め、開発技術のコンサルテーションを行ったのはウルシステムズの4人のコンサルタントだった。
会計や人事システムといった企業の基幹システム開発を一括して請け負う、いわゆるアウトソーシング型の戦略を採用するのであれば、人員増による企業規模拡大路線を選択するのは正しいのかもしれない。しかし、「(ウルシステムズは)ベンチャー企業なので、規模を拡大する方向にはいかない」(漆原氏)。少人数でも大手企業と互角以上に渡り合うためには、戦略的にITを活用する企業を顧客とし、発注者側に身を置きながら、開発プロジェクトを成功に導く支援をする道を採る。そして、このような道が、人月モデルを脱却する1つの解であると漆原氏は考えているようだ。
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