旧システムに戻して対応

郵貯の自動引き落としが1万件不能に、システム改変が原因

2007/01/12

 日本郵政公社は1月12日、郵便貯金の自動引き落としシステムの障害で、1月4〜10日の間の4営業日の引き落としの一部ができなかったと発表した。引き落としができなかったのは最大1万691件で、1243の事業者が影響を受けた。改変した自動引き落としシステムに、郵政公社側で顧客口座のチェック漏れがあったのが原因。郵政公社は11日に旧システムに戻した。このため11日以降は正常に引き落とされているという。

 4、5、9、10日の約3400万件の引き落とし分のうち最大で1万691件の引き落としができなかった。郵政公社は収納事業者と協議し、再引き落としを行う。引き落としされなかった利用者に対しては書面で謝罪し、再引き落とし日を連絡する。

 郵政公社は、引き落としのミスを防ぐため、「収納事業者の口座番号」または「収納事業者の固有の顧客番号」をチェックするよう、2007年1月4日にシステムを改変した。2004年12月以前から自動引き落としを利用している顧客口座については、2005年1月以降の引き落とし時にチェック項目を貯金原簿に追加し、新しい自動引き落としシステムの改変に対応できるようにしていた。2005年1月以降に新たに自動引き落としを申し込んだ顧客も、登録時にチェック項目が追加されるようになっている。

 しかし、新チェック項目の追加は引き落とし時に行われるようにしていたので、新チェック項目の追加を始めた2005年1月から2007年1月4日までに1度も引き落としがなかった顧客口座では新チェック項目が貯金原簿に追加されず、2007年1月4日以降の引き落としが不能になったとみられる。郵政公社は「現在、詳細について調査中」としている。

(@IT 垣内郁栄)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)