PC業界の再活性化につながるか

Windows Vista搭載PC、各社のお勧めはこれ

2007/01/15

 Windows Vistaの1月30日の一般向け発売を前に国内のPCベンダ各社が1月15日、Windows Vista搭載PCを一斉に発表した。マイクロソフトが主催した同日の記者会見には各社がお勧めのPCを展示し、アピール。マイクロソフトはWindows Vistaの投入で「PCの新しい時代が始まる」「PC産業全体の再活性化につながる」などと意気込みを見せている。

 1月15日には国内ベンダ18社が247機種のWindows Vista搭載PCを発表。PCベンダ各社からは「Windows Vistaの登場を首を長くして待っていた」(レノボ)などの声が聞かれた。マイクロソフトによると、一般向けPCのうち、約7割がWindows Vista PremiumかWindows Vista Ultimateを搭載。企業向けモデルでは約9割がWindows Vista BusinessかUltimateを搭載して出荷される。

 記者会見会場に展示されたのは各社が一押しする製品。各PCベンダがWindows Vistaをユーザーにどう使ってほしいかが分かる。

リビングルームPCに注目する各社

 目立ったのはWindows Vistaで実現するリビングルームPCの提案だ。富士通はHDMI出力端子を備え、HDMI入力端子を搭載したテレビにケーブル1本で接続し、インターネットの動画コンテンツなどを視聴できるPC「FMV-TEO TEO50U/D」を展示した。地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタル放送対応のデジタル・ハイビジョンテレビチューナーを搭載し、デジタル放送のハイビジョン映像を録画、再生できる。ネットの動画サービス「@nifty動画」や「GyaO」の映像を付属のリモコンで再生、停止、早送りできる機能もある。

pc01.jpg 富士通が発表した「FMV-TEO TEO50U/D」

 日立製作所の「Prius One type W」も地上デジタル放送の視聴が売り。付属リモコンを使えばOSを起動せずに約5秒で地上デジタル放送を見られる。さらにリモコンでPCを起動することもでき、PCで予約録画や電子番組表をチェック可能。ハイビジョン放送をきれいに見られる高輝度の液晶ディスプレイを備える。

ブルーレイ、HD DVD対応ドライブ搭載

 NECは電源投入後、約2秒でテレビが見られるという「ぱっと観テレビ」機能を搭載した「ValueStar S VS790/HG」を展示した。Windows Vistaの「Windows Media Center」とNECが開発したテレビ視聴・録画ソフトウェア「SmartVision」を統合したPCで、録画した地上デジタル放送のテレビ番組をネットワーク経由で配信、受信する機能も備える。NECはブルーレイディスクドライブを搭載するモデルもValueStar Sに用意する。

pc02.jpg ブルーレイディスクドライブを搭載するNECの「ValueStar S VS790/HG」

 東芝の「Qosmio G30/97A」はHD DVD-Rドライブを世界で初めて搭載したノートPC。HD DVDディスクの再生のほか、地上デジタル放送の録画番組などをHD画質のまま、HD DVD-Rメディアに書き込むことができる。Qosmioシリーズ全モデルは小型の地上デジタルテレビチューナーを備える。G30/97Aは17型ワイドWUXGA(1920×1200ドット)の液晶を搭載する。

ソニーが円形デザインPCを展示

 ソニーは「2007 International CES」で展示した円形デザインのPC「VAIO TP1」を紹介。デルのハイエンドPC「XPS 710」「XPS M1710」を展示するなど、とんがった使い方をするユーザー向けの製品もあった。東芝はマイクロソフトと共同開発し、今春に発売予定のWindows Vista搭載のタブレットPC「Portege R400」を展示した。

pc03.jpg ソニーが展示した円形デザインのPC「VAIO TP1」
pc04.jpg 東芝が今春に発売する予定のタブレットPC「Portege R400」

(@IT 垣内郁栄)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)