ソーシャル・プロダクションの時代へ

セールスフォースの独自プログラミング言語「Apexコード」リリース

2007/01/18

宇陀社長写真 セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長 宇陀栄次氏

 セールスフォース・ドットコムは1月18日、アプリケーション開発プラットフォーム「Apex」(エイペックス)を発表した。同社のサービス「Salesforce」上で動作するアプリケーション作成を支援する。Apexはプログラミング言語「Apexコード」と、独自のWebサービスAPI「Apex WebサービスAPI」、リアルタイム・メッセージング/インテグレーション機能などで構成されている。

 このプラットフォームを活用することで、企業のIT技術者は、独自の要件に合わせてSalesforceのコア機能をカスタマイズすることが可能となる。同社代表取締役社長 宇陀栄次氏は「今後のIT業界はソーシャル・プロダクションという言葉がキーワードになる」と話す。

 Apexの中核は「世界初のオンデマンド・プログラミング言語」(同社)Apexコードだろう。同社の説明によると、Javaに似た言語であり、すべてのJavaプログラマーが「すぐにマスターできる」(同)ものだとしている。この言語を使えば、既存のSalesforceのカスタマイズや修正、トリガーやストアードプロシージャの作成、ビジネス・ロジックの構築、実行などが可能だ。SOAP、XMLを用いてWebサービスとして利用することができる。カスタマイズ、修正だけではなく、新たにコンポーネントを開発できる。

 言語仕様がJavaに似ているというのは、Javaに似たパッケージング・モデルを採用していることである。再利用可能なコードのパッケージをトリガーで呼び出す。パッケージに定義されたメソッドはWebサービスとして公開できるため、WebサービスAPI経由あるいは「AJAXツールキット」(Salesforceとほかのシステム間のマッシュアップ作成を支援するツールキット)から呼び出せる。開発者は、Apexコードで開発したアプリケーションをAppExchangeを通じて公開することもできる。

 セールスフォースでは、Apexコードを用いたアプリケーション開発需要を促すために、いくつかのツールや開発者向けのリソースを提供している。

 Eclipseの開発プラットフォーム上に構築された「Apexツールキット for Eclipse」は、開発者にApexコードを作成するための開発・デバッグ環境を提供する。「開発者向けApex Wiki」は、同社が提供する「Apex デベロッパー・ネットワーク(ADN)」の一部として発信されるもの。ここでは、説明資料やデモ、サンプルコード、ツールが公開されている。

 なお、同社は、Salesforceの21世代目である「Winter '07」もリリースした。

(@IT 谷古宇浩司)

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