アジア初

輸送に使う「台」にRFIDタグを装着して固体情報管理

2007/01/23

握手する3社の首脳 握手する3社の首脳

 日本パレットレンタル(JPR)と韓国のKOREA Pallet pool.,Ltd(KPP)は1月23日、日本ベリサインと協力し、EPCglobalネットワークに対応したRFIDレンタルパレット・サービスの共同運用を開始すると発表した。日韓両国での提供はJPRとKPPが行い、アジア諸国地域では両社の合弁会社であるASIA PALLET POOL PTE.LTD(APP)が事業を担当する。「EPCglobalネットワークを活用したオープンなサービスとしてはアジア初のケース」(日本パレットレンタル 代表取締役社長 山崎純大氏)となる。

 パレットとは「荷物の保管、構内作業、輸送のために使用される“すのこ”のような台のこと」(JPR)。この上に荷物を置き、フォークリフトで作業すれば、一度に約1トンの荷物が移動できる。欧米では1950年代にパレットの統一規格化が行われている。国内でも1970年にJIS規格化されたT11型の標準パレットが広く使われ、輸送システムの円滑な運用に貢献している。

 JPRは統一規格化されたパレットを企業間で共有化し、循環させながら利用する仕組み(パレットプールシステム=PPS)を構築してきた。このPPSにRFIDを適用することで、物流システムの刷新を図る。

 パレットにタグを装着することで、製品1つ1つへのタグの貼り付けコストの問題や、水・金属へのタグの装着といった技術的な課題を解決できるという。つまり、従来は、(固体に結びつかない)数量ベースで製品管理を行ってきた物流現場において、RFIDレンタルパレット・サービスを活用することで、固体情報管理が可能となる。データ管理は、JPRが開発したWeb物流機器管理システム「epal」をEPCglobalネットワークに対応させることで実現する。

 epalには、2008年度までに搭載商品情報を管理する機能を追加する予定。これにより、パレットに装着したタグを介して、積載商品情報(商品名、シリアルナンバー、製造年月日)の管理や企業間での情報共有を可能にする。「製造メーカーA社の海外工場から卸売り業者B社の国内物流センターを経由し、小売業者C社の倉庫に届くまで」といった複数の企業をまたがった物流網における商品の流れをリアルタイムにトレースできるようになる

(@IT 谷古宇浩司)

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