業界別ソリューションを強化
経営者向け無償コンサルティング、日本オラクルが開始
2007/01/25
日本オラクルは1月25日、企業の経営者にIT戦略を提案する業界別のコンサルティングプログラム「Oracle Insight Program」を米オラクルと協力して開始すると発表した。コンサルティングは無償で、主に世界各地に工場やユーザーを抱えるグローバル企業を対象とする。
米オラクルのインダストリーズ・ビジネス・ユニット シニア・バイスプレジデント ソニー・シン(Sonny Singh)氏は、「顧客企業のIT戦略のライフサイクルを把握し、ユニークな価値提案を行っていく」とOracle Insight Programを説明。各業界に詳しいコンサルタントの採用を進めるとした。
Oracle Insight Programでは顧客企業のビジネスやIT戦略の課題を把握し、次の情報システムを提案する。オラクルのアプリケーション導入ツール「Oracle Accelerators」も使い、事前のROI測定やアプリケーションの迅速な導入を行う。日本オラクルの常務執行役員 エンタープライズアプリケーション営業統括本部長 桑原宏昭氏は「Oracle Acceleratorsを使うことで、経営やITの状態をビジュアルに見せられ、新しい情報システムでプロセスがどう変わるかを経営者に分かってもらえる」と話した。
日本オラクルは業界別の専任組織を現状の20人から1年で2倍に増やす計画。この専任組織が米オラクルと連携してOracle Insight Programを提供する。「企業の規模にかかわらず悩みは同じ」(桑原氏)との考えから、グローバル展開をする大企業、中小企業を対象にする。
カスタムアプリの代替狙う
米オラクルは2004年から業界別ソリューションを強化。買収で製品ラインアップを強化する方針を採っていて、これまでに200億ドル以上を買収に投じてきた。業界別ソリューションを強化する狙いは、業界を問わずに導入できるERPの市場と比べて、個別要件への対応が求められる業界別ソリューションの成長率が高いからだ。
ユーザー企業はこれまで、会計や人事などのバックオフィス業務はERPで対応し、他社と差を付けるための基幹業務は手作りなどのカスタムアプリケーションで対応するケースが多かった。オラクルが目を付けたのはこのカスタムアプリケーションの分野。買収戦略でラインアップを増やした業界別のパッケージ製品を、カスタムアプリケーションの代替として提案する。シン氏は「企業の投資はバックオフィス業務以外に向いている。われわれの戦略は効率的と思っている」と話した。
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