ケータイカメラで名刺を撮影するだけでデジタル化できる

カメラ付きケータイをスキャナ化するWebサービス

2007/01/30

 米スキャンアールは1月30日、日本向けに「scanR」の日本語サービスを開始すると発表した。scanRとは、カメラ付き携帯電話などで撮影したホワイトボードや名刺などの写真をアップロードすると、自動的に画像処理を施して保存するWebサービス。同社 CEO ルディ・ルアノ(Rudy Ruano)氏は、「日本ではすでに60〜70%の携帯電話に100万画素以上のカメラが搭載されている。2007年末までに100万人の会員を集めたい」と意気込みを語った。

ルアノ氏写真 米スキャンアール CEO ルディ・ルアノ氏

 具体的には、カメラ付き携帯電話やデジカメで撮影した写真を特定のメールアドレスあてに送信すると、サーバ側で自動的に補正およびタグ付与を行って保存する。その際に指定した番号にFAXする機能や、指定したメールアドレスに転送する機能も搭載している。主に、ホワイトボードや紙のドキュメント、名刺のデジタル化を支援するとした。ただし、撮影時には100万画素以上のカメラが必要。

 サーバにアップロードされた画像は、スキャンアールが独自開発した画像処理エンジンを利用して、低光量、ゆがみ、にじみなどを修正し、見やすくする。また、OCR(文字読取)機能を使って文字を抽出し、キーワードをタグ化する。これによって、デスクトップ検索ツールでの検索が可能になるという。サーバにアップしてから画像処理にかかる時間はおよそ30秒。

 サーバ上に保存された画像はJPGかPDF形式でダウンロード可能。現在日本版サイトでは、ホワイトボードとドキュメントのアップロードが可能で、名刺は英語のみ対応している。ルアノ氏は、「2007年第2四半期には名刺も日本語に対応させたい」と説明した。また、セキュリティ面では「データをすべて暗号化しているうえに、米シマンテックの認証を得ていることから安全性にも配慮している」(ルアノ氏)と強調している。

 料金体系は、1カ月に5回の写真アップロードまでなら無料。2007年6月に開始予定のプレミアムサービスでは、無制限の利用で300円〜700円を想定しているという。Webサービスの特徴を生かして、マッシュアップにも力を入れている。すでに米Salesforce.comと提携し、scanRのデータとSalesforce.comのデータを連携できるようにした。

 ルアノ氏は日本市場について、「日本は米国外で最初の市場開拓になる。日本を選んだ理由には、すでに100万画素以上のカメラ付き携帯電話が60〜70%を占めている点や、オフィスや学校などで紙を大量に消費していることから需要が高いと判断した点が挙げられる。日本語処理もすでに4カ月かけて研究しており、読み取り精度も向上している。今後は、中国、ドイツ、フランスにも展開していきたい」とコメントした。

scanr02.jpg scanRでホワイトボードを撮影した例。左が元画像で右が加工後の画像

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(@IT 大津心)

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