図書館並みの約26dBの低騒音を実現
日本HP、デュアルCPU初の水冷ワークステーション発売へ
2007/01/30
日本ヒューレット・パッカードは1月10日、日立製水冷システムを搭載したパーソナル・ワークステーションの最上位機種「HP xw9400/CT Workstation」を2月8日から販売すると発表した。未発売のAMD Opteron 2000シリーズ 2.8GHzを2基搭載。デュアルCPU構成で水冷を使ったモデルは業界初。2CPU、4GB DDR-2 SDRAM、80GBのハードディスクといった最小構成で価格は58万8000円から。
膨大なデータの可視化や科学技術計算、CGのレンダリングなど、高い処理能力が求められるワークステーションでは、ファンが高速に回り続ける時間が長く、特にオフィス空間の限られている日本では静音へのニーズが高まっているという。xw9400は最大負荷をかけた場合でも約26dBと図書館並みの静かさを実現した。前モデルのxw9300ではアイドル時に約33dB、最大負荷をかけた場合には約43dB。空冷に比べて水冷の冷却効率の高さが差となった。
日立製作所は大型計算機や家電、重電において長らく水冷システムのノウハウを蓄積してきた。2002年には世界初となる水冷システム搭載のノートPCを発表するなど、高い実績を持つ。「水冷ではポンプで循環する冷却液が放熱部の隅々まで行き渡る。また、水は空気に比べて比熱も高く、熱移送力が高い」(日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ サーマルソリューション事業センタ長 源馬英明氏)という。空気と異なりポンプで冷却液を循環させるため、重力や風向き、チップレイアウトといった要素に左右されないことも水冷のメリットだ。空冷で2つ並んだCPUを冷却する場合、1つ目のCPUで暖められた空気を受ける“風下”のCPUの温度が十分に下がらないこともあるという。水冷では循環流路を引き回すことで、複数のパーツを一気に冷やせる。また、CPUの消費電力が低下傾向にあり、水冷システムの能力に余力が出てきたことなどから、今回デュアルCPUの水冷システムが可能になったという。CPU以外の冷却については「グラフィックチップの冷却は個人的には是非やってほしいと思うが、故障の時にカード交換をどうするかなど難しい問題がある。メモリを冷却することなども含めて検討課題」(日本ヒューレット・パッカード パーソナルシステムズ事業統括 ワークステーションビジネス本部 本部長 小島順氏)としている。
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