ターゲットは「チーフ・アーキテクト」

「EAの世界では、日本はまだ若い市場」、テレロジック

2007/01/31

 日本で「エンタープライズ・アーキテクチャ」(EA)が大々的に紹介されたのは2003年頃だろう。経済産業省が米国政府の政府調達手法を参考にして、電子政府の構築に適用しようとしていた。国の動きに合わせて、IT関係の業界団体や企業もEAをキーワードにしたプレゼンテーションを頻繁に行っていた。日本IBMによる東京三菱銀行の事例を聞いた読者も多いと思う。

 EAとは、巨大な組織の業務手順を標準化し、それに合わせて情報システムの構築手法も標準化しながら、組織全体の効率的な運用を展開していく方法論のことである。1987年にジョン・A・ザックマン(John A. Zachman)氏が提唱した情報システム構築のためのフレームワーク(ザックマン・フレームワーク)を、導入する組織の業務手順まで拡張したものがEAの原型とされている。シンプルに言えば、企業の戦略を現実化するための設計図のようなものだ。

テレロジック写真 テレロジックのチーフ・ストラテジストのジャン・ポプキン氏

 日本では一時期ほど「EA」という言葉を聞く機会がなくなったものの、EAのコンセプト自体が消滅したわけではない。テレロジックのチーフ・ストラテジストのジャン・ポプキン(Jan Popkin)氏は、「EAの世界では、日本はまだ若い市場」だと話す。このことは、企業や政府において、戦略的なIT構築・運用の現場責任者が育っていないことも示唆している。ポプキン氏は、このような人々を「チーフ・アーキテクト」と呼び、彼らに向けてテレロジックとしてのメッセージを届けていきたいとしている。

 なお、チーフ・アーキテクトの組織内のポジションは、CTOやCIOといった最高責任者の直下で現場を指揮する立場である。日本法人の代表取締役社長 粟倉豊氏によると、防衛省をはじめ政府官公庁でEAを推進する立場の人物には、民間企業から派遣されたスペシャリストがあたっている場合がある。彼らの仕事が徐々に効果をあげてきているという。「2007年が(EAサポートツール拡販の)スタートアップ的な位置付けになるかもしれない」と粟倉氏は言う。

 テレロジックは1月31日、EA向けの新製品「Telelogic System Architect v10.5 日本語版」を発表した。

(@IT 谷古宇浩司)

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