コンピュータベンダとしては初
HP流データセンターの電力・空調コスト削減ノウハウ
2007/02/05
日本ヒューレット・パッカード(HP)は2月5日、新サービス「HP スマート・クーリング・ソリューション」を発表した。同社では「コンピュータメーカーとして初の試み」とする。
HP スマート・クーリング・ソリューションは、データセンターにおける電力消費と空調コストを削減し、オーバーヒートによるシステムダウンのリスク低減を付加価値として顧客に提供するサービスである。米HPをはじめ、全世界にあるHPのデータセンターで蓄積したクーリングのノウハウを体系化したもの。適切なラック配置と空調設備の設置をすることで、冷却効率の改善を狙う。
ターゲットは、企業のIT部門やサービスプロバイダの持つデータセンターだ。サービスは、既存データセンター向けの「サーマル・アセスメント・サービス」と、新規データセンター向けの「サーマル・プランニング・サービス」の2種類。
サーマル・アセスメント・サービスは、エンジニアを現地に派遣し、顧客へインタビューを行いながらデータを集め、シミュレーションソフトによるエアフロー分析や温度分布シミュレーションを通して、最適なラック配置、空調設備の設置を提案するもの。シミュレーションには、空調設備の故障や定期メンテナンスも含まれる。サーマル・プランニング・サービスは、今後開設・拡張するデータセンターのフロアについてのラック配置や空調機配置を提案するサービスだ。
調査開始から調査レポートの提出までは1〜2カ月ほどかかる。概算価格は、500平方メートル程度のデータセンターを対象にしたサーマル・アセスメント・サービスで400万円から。サーマル・プランニング・サービスの概算価格もほぼ同等。
米国では夏以降、空調装置の風量をリアルタイムに制御する「ダイナミック・スマート・クーリング」サービスを開始する。これは、各ラックに複数の温度センサーを取り付けて温度センサーネットワークを構築し、収集したデータを基に流体解析ソフトウェアを使って、複数の空調装置の風量をリアルタイムに制御するサービス。日本での提供時期は未定。
同社は、NTTファシリティーズとパワー&クーリングの分野で業務提携を行っている。
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