ISO規格化が開始
アドビの手を離れるPDF、実質標準から公的標準へ
2007/02/08
米アドビ システムズは1月30日、PDF 1.7全仕様をドキュメント関連の非営利組織AIIMに譲渡し、国際標準化機構(ISO)による規格承認を目指すと発表した。米アドビのアクロバットマーケティング担当ディレクター リッキー・リバーシッジ(Ricky Liversidge)氏は「公的なスタンダードにすることで政府・自治体がPDFを使いやすくなる」と語り、各国政府や自治体でのオープンスタンダード採用の流れを受けた措置と説明した。同氏によるとPDFは1年強でISO規格として承認される見通し。
米アドビのアクロバットマーケティング担当ディレクター リッキー・リバーシッジ氏
譲渡を受けたAIIMは国際標準の仕様を策定し、ISOのワーキンググループに提案する。アドビはこれまでPDFのサブセットである「PDF/A」(電子文書の長期保存)、「PDF/X」(商用印刷)を提案し、ISO規格として承認されている。現在は技術文書の情報交換を規定する「PDF/E」、ユニバーサルアクセスを規定する「PDF/UA」を提案している。
リバーシッジ氏は「多くの企業では現状でも問題ないかもしれないが、規制を受けるような特定のワークフローや政府・自治体では(オープンスタンダードを使うという)線引きをしないといけないところがある」と狙いを説明。「政府・自治体の方向性は長期的に企業に影響を与える」とも語り、一般企業にも影響が波及するとの認識を示した。
AIIMに譲渡することでPDFの今後の開発はアドビの手を離れる。しかし、アドビはAIIMのワーキンググループにも参加していて、「イノベーションは今後も続けていける」(リバーシッジ氏)としている。
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