キューピッドの矢が職場で飛び交う

社内恋愛もオープン化、一線を越える人も

2007/02/15

 会社に勤める人の10人に4人が同僚とデートをしたいと考え、同じく4人が実際に交際し、4分の1は結婚に至っている――人材募集・派遣会社の米Spherionが1月29日に発表した調査報告書からは、今時の職場恋愛事情が浮かび上がった。

 フロリダ州ローダーデールに拠点を置くSpherionで上級副社長と最高人材責任者を兼ねるジョン・ハインズ氏は、「これまで一般的に考えられていたとおり、多くの労働者が職場にロマンスの機会を求めていることが、われわれの調査によって証明された」と話している。

 「最近では、ブログや『YouTube』、ソーシャルネットワーキングサイトといったオンラインコミュニケーションが流行し、個人的な話題を不特定多数の人々と共有する機会が爆発的に増えている。インターネットに自分の噂が流れれば、昇進を棒に振ったり、リストラされたりする危険性も大きくなるだろう。誰かと『不適切な関係』を結んでいる場合はなおさらだ。今日の労働者は、職場恋愛を隠し続けるのは難しく、ロマンスにはリスクがついて回ることを認識しなければならない」(ハインズ氏)

 米国労働者の41%(2006年時は36%)が、職場恋愛により現在の身分や昇進が危うくなる可能性があると考えながらも、ときには人目にも明らかな形で同僚と「一線を超えた」人の割合は39%に達しているという。

 恋愛関係を絶対に口外しないと回答したのは35%だったが、42%の労働者は、職場に交際相手がいる事実を同僚に隠さなかったと述べている。

 今回の調査対象となった職場恋愛中の女性と男性を比べると、全体的には女性のほうが用心深かった。職場における恋愛関係が仕事に悪影響をおよぼすと危惧している人の割合は、男性の36%に対し女性は47%、交際を秘密にすると答えたのも女性が多く、男性の31%に対し41%となった。

 調査結果からは、職場恋愛の気まぐれな一面も見えてくる。交際を数年間続けた女性は21%で、男性の11%より多いが、最終的に結婚に至った割合は、男性が27%、女性が23%と逆転している。同僚と結婚する確率は、30歳未満の労働者よりも、30歳以上の労働者のほうが高かった。ただし、若年層はよりオープンな交際を好むことが分かっている。

 さまざまな職域で職場恋愛が日常化している一方で、経営者の間には、そうした風潮を良しとしない傾向がいまだに残っているようだ。もっとも、自分が勤める会社に職場恋愛に関する規則があると答えた労働者はわずか16%であり、31%は規則の有無は分からないとしている。

 「大半の人が、少なくとも1日の3分の1を職場で過ごすことを考えれば、同僚と恋愛関係に発展するチャンスが多いのも至極当然と言える。同僚同士の交際を認めるか否かは、個々の企業が独自に判断すればよいことだが、労働者の3分の1近くがそうした規則の存在すら知らないという現状は、いささか問題である」(ハインズ氏)

 ハインズ氏は、規則を設けている企業はその周知徹底を図る必要があり、設けていない企業はすぐにでも検討を始めるべきだと述べた。

 Spherionによる職場恋愛調査の結果には、2月12日にCareerBuilder.comが公表した同様の調査報告と相通じる部分がある。CareerBuilderも、キューピッドの矢は職場の至る所で飛び交っていると結論していた。報告書によれば、43%の労働者が同僚と交際し、そのうちの34%は相手と結婚したという。また、対象者の10%は、同調査の実施時点で同僚に片思いをしていると答えていた。

 CareerBuilderの調査では、職場恋愛のスキャンダラスな面に焦点が当てられている。回答者の34%は、同僚との関係を秘密にせざるを得なかったという。実に22%が既婚者と交際し、27%が会社の上役と付き合っていたことを認めている。直属の上司と恋愛関係に陥ったという人の割合も、 14%に上った。

 職場恋愛は、どのようなキッカケで始まるのだろうか? 調査結果によれば、社外で同僚と偶然出会った(12%)、いっしょにランチを食べた(11%)、仕事帰りに一杯飲んだ成り行きで(10%)、徹夜で仕事をしているうちに心が傾いた(9%)などの発端があったという。

原文へのリンク

(eWEEK Deborah Perelman)

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