EC、トラベルなどコア事業は好調

楽天グループ、2006年度通期では増収減益

2007/02/15

rakuten01.jpg 楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 楽天は2月15日、2006年度通期と第4四半期の決算説明会を開き、グループ全体での売上高が前年比56.6%増の2032億円、営業利益は16.4%減の291億円、経常利益は15.1%減の304億円となったことを明らかにした。同社のコアビジネスであるグループ共通の会員IDを利用した多角的なサービス展開やポイント施策による複数サービス利用会員の増加などが奏功し、会員数、売上高とも大幅増となった。一方、信販子会社の楽天KCの営業損益が61億円の赤字と、上場以来初の連結での赤字決算となった2006年12月期の第3四半期(2006年7〜9月)に引き続き足を引っ張る形となった。

 楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「楽天のトップページは2億ページビューを突破し、グループ流通総額は今期2551億円と通年換算で1兆円を超えた。コアを中心に総合的には業績は回復した」と総括。楽天KCを除く業績は、EC事業やトラベル事業を中心に順調に成長しているとした。ポイント施策により、楽天グループのサービスを複数利用する会員の割合は、2005年3月時点で18.6%であったのに対して、2006年12月には27.6%になるなどシナジー効果が出ているという。中でもトラベル事業が好調で、宿泊人数ベースでJTBの75%程度にまで成長。2006年第4四半期(10〜12月)の売上高は前年同期比28.4%、営業利益は48.4%と高い成長率を保っている。

 懸案の信販事業については、クレジット事業のオリエントコーポレーションへの譲渡や合理化施策の実行などで総資産を9月末の6389億円から12月末には3682億円に、営業債権残高を9月末の8364億円から4159億円に、また自己資本比率も2.1%から5.5%に引き上げるなど財務状況を改善。同時に、与信の厳格化を行うなど回復途上にあるという。

 M&Aを通じて事業を多角化してきた同社だが、昨年末からは、各子会社の収益を集約した上でグループとして投資すべき分野に新規投資を実施する施策に転換し、「年内に10以上のサービスを立ち上げる」(三木谷氏)という。

(@IT 西村賢)

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