運用プロセスを可視化し、内部統制にも対応

富士通、法人向けIT機器管理アウトソーシング事業を強化

2007/02/20

lcm01.jpg 経営執行役常務 サービスプロダクトグループ グループ長の石田一雄氏

 富士通は2月20日、企業内のサーバやパソコンといったIT機器インフラの管理をオンサイトアウトソーシング事業として行う「LCMサービス」のサービス体制強化とメニュー整備を行うと発表した。“LCM”は「ライフ・サイクル・マネジメント」(Life Cycle Management)の略で、IT機器の導入計画から保守、運用、移転、撤去までサポートする。富士通グループは、同事業でこれまで約3000社で運用実績を持つが、複数の子会社が個別の運用サービスを提供してきた。今回、サポート拠点と人員を拡充し、併せてサービスメニューを整理・統合することで、より柔軟性と透明度の高いサービスとした。

 経営執行役常務でサービスプロダクトグループ グループ長の石田一雄氏は、今回の発表の背景として「汎用機は1度導入したら5年から10年使うものだったが、昨今のサーバは2、3年で交換する。サイクルが早いのでプロダクト売りよりも、サービス化が求められている」と説明。また、セキュリティ対策や内部統制対策など情報システム部門の負担増を背景に、アウトソースへのニーズが高まっているという。

 これまでの稼働実績をもとに、サービスレベルまで含めたサービス仕様や運用フローを標準化。文書化して顧客に提示することで、サービスの均質化、高品質化を狙う。内部統制対応へのニーズもにらみ、運用プロセスの可視化も徹底した。

 新体制導入に当たり、製品保守を担当するエンジニアの育成にも力を入れる。現在全国に約8500人いる保守人員のうち、トラブル切り分けやパッチ適用、ログ採取まで行う「オンサイト運用技術者」、サービス全体の管理を行う「サービスマネージャー」の割合を増やす。2006年度に1800人だったオンライト運用技術者を2008年度には2500人に、225人だったサービスマネージャーを485人にまで増やす。

 従来からある全国850カ所の保守サービス拠点に加え、約1年をかけて全国8カ所に「富士通LCMサービスセンター」も新設してきた。同センターを中心に24時間365日のリモート監視、システムトラブル時の解決支援、ヘルプデスクサービスなどを提供する。

 LCMサービス事業は、データセンターサービスを含む同社のアウトソーシングサービス事業全体の売り上げの25%前後を占める。アウトソーシング事業、LCMサービス事業ともに売り上げは2005年度以降2桁成長を続けており、2008年度には6000億円、LCMサービスで1560億円の売り上げを目指す。

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(@IT 西村賢)

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