明日以降は注意が必要
MSの海賊版確認プログラムが拡大、XPで新たに認証求められる
2007/02/20
明日(2月21日)以降にWindows XPの自動更新を利用するユーザーはちょっと注意が必要だ。いつもとは異なる表示が出て戸惑うかもしれない。正規版のWindows XPを使っているかどうか、マイクロソフトの確認が始まるのだ。
マイクロソフトは海賊版などの違法なWindows XPを排除し、正規版の利用をユーザーに促すプログラム「Windows Genuine Advantage」(WGA)を拡張すると2月20日に発表した。WGAは2005年7月に世界で始まったプログラムで、Windows XPのユーザーが「Windows Update」「Microsoft Update」「Download Center」を使う際に正規版のWindows XPかどうかを認証する内容。
「自動更新」にも正規版チェックを導入
マイクロソフトはこのWGAを拡張し、セキュリティパッチなどの「自動更新」の利用でも正規版の認証を求めるようにする。新しい取り組みの名称は「Windows Genuine Advantage Notification」。認証は2月20日(米国時間)以降の自動更新の際にプログラムがインストールされる。WGA Notificationはすでに北米や英国、フランス、ドイツなどで展開している。
マイクロソフトのWindows本部 マネージャ 篠田尚平氏は「WGAは2005年に5億台のPCを認証したが、うち22%が違法版だった。日本では2006年に1000万台以上を認証し、その7%が違法版。日本は世界でも違法率が低い国だが無視できる数字ではない」と話した。篠田氏によると国内で違法版がインストールされているPCは、企業などから流出したボリュームライセンスキーを使っているケースが過半数だという。
違法版には警告メッセージ
WGA Notificationの流れはこうだ。自動更新を有効にしている場合、WGA Notificationのモジュールが自動でダウンロードされ、ユーザーにインストールの準備完了が通知される。準備完了のアイコンをクリックするとインストールのウィザードが起動。ここで「キャンセル」をクリックしてWGA Notificationをインストールしないことも可能だ。「インストール」を選択するとプロセスが始まり、WGA Notificationのウィザードが立ち上がる。その後、WGA Notificationの仕様許諾書に同意するとマイクロソフトのサーバにアクセスし、使っているOSが正規版かどうかを調べる。認証は「1分もかからない」(篠田氏)という。
正規版の場合はそのまま終了。しかし、違法版で認証できなかった場合はWindows XPのログオン画面やデスクトップのタスクバーに警告のメッセージが表示されるようになる。違法版とされてもログオンやPCの利用は可能。警告メッセージをクリックするとマイクロソフトのWebページにアクセスし、正規版のライセンスキーを購入できる。篠田氏によると、このページで購入できるライセンスキーは「正規版よりも若干安い」(篠田氏)という。
WGA NotificationはWindows XP Service Pack 2だけが利用できるプログラム。Windows XP SP1やXP RTMを使っているユーザーにはSP 2をインストールすることを促すメッセージが表示される。
エンドユーザーが戸惑う可能性も
従来のWGAはInternet Explorer 7をインストールするために利用するなどユーザーが「能動的」に正規版を認証する側面が強かった。しかし、新たに始まるWGA Notificationは自動更新という「受動的」な機能を利用して認証する。
クライアントPCのパッチ適用を管理する目的で「Microsoft Software Update Services」を使っているような企業なら、WGA Notificationの適用時期をコントロールできる。だが、一般ユーザーやパッチ管理を行っていない中堅中小企業では、知識のないエンドユーザーがWGA Notificationを適用し、認証作業を行わないといけない。見慣れないメッセージにユーザーが戸惑い、IT部門に対する問い合わせが増える可能性も考えられる。篠田氏は説明会で出席した記者らに対して「WGA NotificationのWebサイトを紹介してほしい」と呼びかけた。
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