全国約3800店舗にiD、トルカ対応リーダー設置

ドコモとマクドナルドが提携、マーケティングにIT活用

2007/02/26

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 NTTドコモと日本マクドナルドホールディングスは2月26日、おサイフケータイやeクーポンと連動したプロモーション活動を通じた協業のため、新会社を設立すると発表した。2007年10月から全国に約3800店舗あるマクドナルドの店頭に対し、順次「iD」「トルカ」対応リーダーを設置する。iDはNTTドコモが提供するクレジットカードサービス。トルカはNTTドコモが提供するクーポン券やレストランのスタンプカードをケータイで扱うサービス。

 マクドナルドでは、現在、新聞の折り込みチラシで配布しているクーポンを、会員宛てメールによるeクーポンに置き換えていくことで、大幅なコスト削減を狙う。マクドナルドはNTTドコモに対してロイヤリティを支払うことになるが、紙媒体で1度に3000万枚配布するというクーポンのコストの削減や、リサーチコストの削減、新規サービス開発の基盤としてのメリットが上回ると判断したという。

 新たに設立する会社では、これまで両社が構築してきた会員データベースを元に、新たに会員組織を構築。eクーポン配布のほか、これまで対面アンケートで行ってきた新商品へのフィードバックアンケートなどもケータイ経由で行うといったマーケティングツールとしての活用も視野に入れる。「個人ごとの購買のトラッキングも可能で、時間別、メニュー別、年代別や性別による分析を行い、それをサービスやメニューに素早く反映することで、より幅広い層の顧客満足を目指す」(マクドナルド代表取締役会長兼社長兼CEO 原田泳幸氏)という。また新規サービスとして、雨が降り出した地域をターゲットに特定のクーポン券を配る、土曜日の朝に家族連れをターゲットを配るなどの例を挙げ、「まだまだアイデアは尽きない」(原田氏)と話した。ケータイによる来店前オーダーや、電子決済による支払い事務のスピードアップも狙い。「サービスタイムを30秒縮めると、それで売り上げは5%アップする」(原田氏)。

 一方、NTTドコモ側はロイヤリティ収入のほかにも「トルカというサービスがどこまで使えるのか徹底して検証したい」(NTTドコモ代表取締役社長 中村維夫氏)との狙いがある。

 今回、両社による協業にとどまらず新会社設立に至った理由として原田氏は「結婚しないと子どもはできないという意気込み」だと説明。「電子マネー普及はもはや止められない動き。これに当社が取り組まなければビジネスに負ける」と話した。NTTドコモ以外の携帯電話利用者への同様のサービス提供についても、今後検討していくとした。

(@IT 西村賢)

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