新名称はバタージュ
日立がハードウェアアシストで差別化した仮想化技術を拡販へ
2007/02/28
日立製作所は2月28日、同社のサーバ仮想化技術を強化し、「Virtage」(バタージュ)という新名称のもとで発表した。同社はハードウェア処理によるパフォーマンスと信頼性の高さでVirtageを差別化し、サーバ拡販につなげていく考えだ。
Virtageは日立の開発によるハイパーバイザと、同じく独自開発したチップセットを組み合わせ、インテルのバーチャライゼーション・テクノロジー(VT)を活用したサーバ仮想化技術。2006年8月末より、同社のブレードサーバ「BladeSymphony」におけるItanium 2プロセッサ搭載サーバブレード「BS1000」で提供されている。ゲストOSとしてはWindows Server 2003, Enterprise EditionおよびRedhat Enterprise Linux AS 4.0をサポートしている。
日立は2007年後半にVirtageをXeon搭載サーバブレードにも実装、ボリュームゾーンに展開していく。これにより2004〜2006年度の累計で約1000億円だったBladeSymphony関連事業(サーバ、ストレージ、ソフトウェア、SI事業の合計)の売上高を2008年度には単年で1000億円に引き上げたいと、同社 執行役常務 情報・通信グループ 副グループ長 高橋直也氏は語った。
日立のハイパーバイザにおけるI/Oは、いわゆる「パススルーモデル」に基づいている。つまり各ゲストOSはサーバのデバイスをそれぞれのデバイスドライバで駆動する。ハイパーバイザはゲストOSに見えるメモリアドレスと、物理サーバのメモリアドレスとの間の変換を行っている。Virtageではこのメモリアドレス変換を独自のチップセットで処理することでパフォーマンスを向上している。今回の機能強化ではファイバーチャネルの共有管理にも仮想化支援機能を適用、ハードウェア・アシストによって仮想化のオーバーヘッドを軽減するとともに、ある仮想サーバに起因する不正I/Oアクセスがほかの仮想サーバに波及するのを防止することができるようになった。
インテルも「VT-d」という名称でI/Oの仮想化支援機能をチップセットに組み込む計画を進めている。Virtageの提供するメモリアドレス変換機能も時期は未定ながら提供の予定だ。しかし同社エンタープライズサーバ事業部長の北野昌宏氏は「ファイバーチャネルの仮想化支援は日立のみの機能」とするとともに、「(Virtageは)プロセッサからの独立性も高く、技術としての寿命は長い」と話した。
さらに今回、Virtageによる仮想化環境がBladeSymphonyの「N+1コールドスタンバイ」機能に対応した。つまり仮想化された物理サーバブレードに障害が生じた場合、予備ブレードがこの仮想環境を引き継げるようになった。
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