SMMを利用して消費電力を最大85%削減
シーゲイト、ワイヤレスストレージ技術「DAVE」発表
2007/03/05
米シーゲイトは3月5日、ワイヤレス機器にストレージを提供する「DAVE(Digital Audio Video Experience)テクノロジ」を発表した。DAVEテクノロジは、携帯電話などの無線機能付きモバイル機器に対して、ワイヤレス通信経由で10GB〜20GBのストレージを提供するというものだ。
同社によると、一般的に各コンテンツプロバイダは1つのコンテンツに対して、現在5種類の異なったデバイスで提供することができるという。「テレビ」「ポータブルプレーヤー」「PC」「携帯電話」「自動車用モニター」の5つだ。特に携帯電話は、世界的に見るとまだアフリカや中南米の普及率が低いため、今後も10億人規模で利用者が増える見込みだ。にもかかわらず、音声通話の料金はすでに頭打ちであり、今後はデータ通信の売り上げが増えていくと同社は分析。ビジネス面でも情報漏えいの観点から、紛失しやすいスマートフォンなどにデータを保存すべきではないとした。
DAVEプラットフォームでは、ハードディスクを内蔵した名刺大のモバイルデバイスを用意。このモバイルデバイスと携帯電話やノートPCがBluetoothやWifiを利用して通信することで、このモバイルデバイスをワイヤレスストレージとして使おうという発想だ。このモバイルデバイスは、SMM(Storage Management Module)ソフトウェアを利用することでハードディスクの電力消費削減などを実現している点が特徴だ。
SMMを利用すると、チップセット上のメモリにデータを保存することでハードディスクの回転を減らすことができるため、最大で85%の電力消費を削減できるという。米シーゲート グローバルコンシューマーエレクトロニクス マーケティングディレクター ロブ・ペイト(Rob Pait)氏は「実際に、SMMを利用してハードディスクを3〜4分起動したところ、実際にディスクが動いたのはそのうちの3〜4秒程度で済んだ」と説明した。
DAVEテクノロジは、すでに欧州で携帯電話事業を手掛けているOrangeやノキア、シンビアンなどとパートナー契約し、提供する予定だという。また、オンデマンドでコンテンツを提供するモバイルTVの提供も検討しているとした。
ペイト氏は、「情報漏えいのリスクが注目されている中、スマートフォンや携帯電話に大事なデータを保存しておくべきではない。DAVEを利用すれば、携帯電話のデータは鞄の中にしまってあるDAVEに保存すれば、万が一携帯電話をなくした場合でもデータは無事だ」と語り、DAVEのメリットをアピールした。
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