PCはもういらない?
最近の大学生は携帯メールでレポートを書くらしい
2007/03/09
「最近の大学生は授業のレポートも携帯メールで送って来るんだよ」。奈良先端科学技術大学院大学 教授の砂原秀樹氏はこう苦笑いする。ある年齢以上の人にとってはPCを使った電子メールがまずあって、その後に携帯メールが登場した。しかし、いまの大学生世代ではまず携帯メールに触れ、その後、PCメールを始める人が多いのだ。ガートナー ジャパンは「今後5年で電子メール利用が半減する」とも予測しているが、電子メールの将来は……。
砂原氏は、理事を務めるMozilla Japanの3月9日の記者会見後、記者にコメントした。砂原氏は「大学生は1000字くらいのレポートでも平気で携帯メールで送ってくる。ぼくの授業では携帯メールのレポートは禁止しているけど、学生にとっては携帯メールが普通になっている」と語る。国内ではインターネットに接続する端末で、携帯電話がすでにPCを上回っている。インターネットの主役はPCではなく、携帯電話が担いつつあるのだ。
ガートナーのリサーチ ITデマンド・リサーチ担当 リサーチ ディレクター 志賀嘉津士氏は2006年11月、「今後5年でビジネスワーカーの電子メール利用が半減する」と予測した。既存の電子メールは線的なつながりで、複数間でのコミュニケーションが難しい。SNSやブログが電子メールの代替となり、「複数人とのコミュニティ構築や顧客とのホットラインなどに利用されるだろう」と推測する。
考えてみればPCの電子メールはあまりに多くの役割を持たされている。1対1のコミュニケーションが基本のはずだが、ファイルを添付したり、システムと組み合わせたり、複数間での意見調整に使われたりと、担っている役割は、多い。
電子メールのコア技術がすでに成熟しつつあるといわれる中、過剰な利用の弊害が出てきているのも事実だろう。企業では情報漏えいを警戒し、社員の電子メール利用を監視するケースが増えてきている。PCメールの役割をほかのコミュニケーション手段に適切に振り分ける、“メール利用のリストラ”が必要かもしれない。
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