購買や人材育成など
IBMの“仕事の仕方”をネット経由でお安く提供します
2007/03/13
日本IBMは3月13日、IBMの業務を基に標準化した業務プロセスを、ネット経由でユーザー企業が利用できるようにする「Business Processing Services」(BPS)を4月以降に開始すると発表した。いわば巨大企業であるIBMのノウハウや経験が詰まった“仕事の仕方”を提供するアウトソーシングサービスで、ユーザー企業は早期にプロセス改善やコスト削減が図れるとしている。
ユーザー企業はネット経由でIBM側のデータセンターにアクセスし、サービスを利用する。システムを用意する必要がないため、迅速に使い始めることができる。IBMが提供するのは自社のノウハウを基にした標準プロセスのため、通常の業務アプリケーションのように柔軟にカスタマイズすることはできない。ただ、各サービスはSOAをベースにしていて、サービスを組み合わせることで柔軟性を確保できるという。
IBMが用意するサービスは、ネット経由で購買ができる「Procurement@BPS」、管理者育成やプロジェクト管理などの人材育成コンテンツを利用できる「Learning@BPS」、売掛債権回収業務をネット経由で管理する「I2C」(Invoice to Cash)、電子文書の保管や検索のプロセスを提供する「Document@BPS」、給与計算や従業員管理をネット経由で行える「Human@BPS」の5つ。ProcurementとLearning、Documentは4−6月期に提供、I2CとHumanは7−9月期に提供開始する予定だ。
購買のProcurementでは、年間2.5兆円の間接財調達の実績があるIBMの調達価格に準じる価格で購買できるなど、ユーザー企業はIBMの業務プロセスに合わせることでメリットを得られる。I2Cは米IBMが2005年2月に買収したアウトソーシング企業、Equitantのサービスをベースにしていて、欧米ではすでに多くのユーザー企業があるという。
BPSは従量課金が基本で、「顧客企業が求めやすく、分かりやすくする」(日本IBM 常務執行役員 BTO事業担当 遠藤隆雄氏)という。BPSは多くの企業で共通の標準プロセスをベースにし、しかもネット経由で利用できるため3カ月程度で利用開始できるという。I2Cはそれよりも導入に時間がかかるが、それでも5カ月程度だ。
IBMは2004年からアウトソーシング事業を本格展開し、特にユーザー企業の業務プロセス全体を引き受ける「Business Transformation Outsourcing」(BTO)を推進してきた。今回のBPSは「BTOのコアとなるノウハウや経験の一部を使ってもらうサービス」(遠藤氏)で、「次のビジネスにつながるエントリポイントにしたい」としている。
業務プロセスの一部を請け負う同様のサービスは他社も参入していてIBMは「業務領域によっては明らかに後発」(遠藤氏)。しかし、SOAベースでサービスを組み合わせられることが差別化につながるとしている。遠藤氏は採用企業数について「中小企業、中堅企業を中心に(今年中に)一気に3ケタの大台に乗せたい」と話した。
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