テレビCM投下でブランド認知度上昇

60万ユーザーの声を集めて全面刷新「弥生販売 07」

2007/03/14

 業務ソフト「弥生」シリーズを開発・販売する弥生は3月14日、販売管理ソフトの「弥生販売 07」と顧客管理ソフト「弥生顧客 07」を発売すると発表した。発売日はそれぞれ4月20日、5月18日。

弥生写真 弥生 執行役員 プロダクトマーケティング担当 竹之内学氏(真ん中)

 「弥生販売 07」は、クライアント/サーバ型の中規模事業所向け「弥生販売 NE 06」に搭載していた機能の一部を、小規模事業所向けスタンドアロン型の「プロフェッショナル」「スタンダード」版にも展開、「全面的な刷新をはかることで機能性と利便性を大幅に向上した」(弥生 執行役員 プロダクトマーケティング担当 竹之内学氏)。

 「弥生販売 07」のスタンドアロン版に追加されたのは、台帳管理の利便性の向上、確実な請求・回収・入金を可能にする機能の充実、データ容量上限の増加(1GBから4GBへ)など。今回上位製品からの機能展開を行った背景には「小規模事業所ユーザーにおいて、確実な経営・業務管理を行うニーズが多かったため」だという(竹之内氏)。一方、クライアント/サーバ型の「弥生販売 07 ネットワーク」には、プロジェクト別の集計機能を搭載した。これにより、案件別の利益把握が難しい業種や業態での損益分析が容易になった。

 現在、同社の累計ユーザー登録数はおよそ60万件(2007年2月)。サポート契約数は13万件(2007年2月)である。同社製品のユーザーの多くが従業員10人以下の小規模事業所である。主力はスタンドアロン版だが、「量販市場が縮小傾向にある」(竹之内氏)こともあり、販売パートナー網を活用したネットワーク版の販売に力を入れている。ネットワーク版は企業の部門ごとで活用されるケースが多く、全社の基幹システムとして採用されることはほとんどないが、竹ノ内氏は「将来的にERPの領域に行くことも検討している」と話す。

 同社が量販市場から脱却を図る動きを明確にし始めたのは2004年。量販店市場に依存した体質を見直し、ネットワーク対応製品を核として、販売パートナー経由の売り上げに占める比率を増やそうとしていた。2004年12月にはライブドアグループとなった。その頃は、B2Bファイナンスサービスの展開や、ネット販売の展開強化も計画していたが、ライブドア事件の後、結局、ネットワーク版の拡販というシンプルな戦略に集中することになった。3月1日には、ネットワーク対応製品の導入から運用までを指導するサービスパッケージ「弥生塾」のリリースを発表、ユーザーのニーズを汲み上げた製品開発と顧客へのサポート強化という地に足のついた施策を展開することで、着実な体質改善に取り組む。

 知名度向上を図るために、2007年1月17日から2月上旬までテレビCMを投下。投下後の認知度は投下前と比較して、7.3ポイント上昇(83.6ポイント)し、首位を走るライバルOBCの「勘定奉行」(94.9ポイント)に迫った。

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(@IT 谷古宇浩司)

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