6種のサンプルアプリを用意
アルファ公開したアドビ「Apollo」を早速使ってみた
2007/03/19
FlashやHTML(Ajax)、PDFなどWebベースの技術を使ってクライアントアプリケーションを開発できる、米アドビ システムズのウィジェット技術「Apollo」の開発者向けアルファが、3月19日にアドビのWebサイトで公開された。「脱Webブラウザ」を標榜するApolloはどのような技術なのか。アルファ版をダウンロードし、サンプルアプリケーションを試してみた。
アドビが公開したのは、Apollo対応アプリケーションを稼働させるためのランタイムと、Apolloアプリケーションを開発するためのSDK。ApolloはWindows、Linux、Macで稼働するクロスプラットフォームが特徴だが、今回のアルファ版ではWindows版とMac版のみを用意している。Linux版は今後の対応になる。
SDKはFlashやHTML、PDFなどで作成したデータをアプリケーションにまとめるためのコマンドラインツールと、「Flex Builder 2.0.1」でApolloアプリケーションを開発できるようにする「Apollo Extension for Adobe Flex Builder 2.0.1」、ドキュメントを含む。
6種のサンプルアプリケーションを使う
アドビはApolloのサンプルアプリケーションを公開しているので、ランタイムをインストールして早速使ってみた。公開しているのは6種だ。
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導入は簡単で、ランタイムをインストールしていれば、通常のクライアントアプリケーションと同様にクリックするだけでインストールできる。まずはRSSリーダーの「Fresh」を試してみた。起動するにはデスクトップのアイコンをクリックする。FreshはAjaxを活用したRSSリーダー。左ペインに登録しているブログが並び、上ペインにエントリのリスト、下ペインに記事内容が表示される。スムーズな表示が特徴。WebベースのRSSリーダーと異なり、オフライン時でも記事を読むことができる。
Flashで半透明ウィンドウを表示
「Maptacular」はGoogle MapsとローカルのVCardをマッシュアップしたアプリケーション。起動するとGoogle MapsがHTMLで開く。マウスアイコンを画面の左に持っていくと半透明のウィンドウが開き、ローカルのVCards情報から読み込んだコンタクトリストが表示される。半透明のウィンドウはFlashベース。コンタクトリストのアイコンを地図上にドラッグすると、VCards情報から読み込んだ住所の地図が表示される。Webブラウザを使わないアプリケーションながら、Ajax、Flashを使うことでWebとほぼ同じ操作感を実現している。
「Scout」はWebページを解析するアプリケーション。URLを入力するとそのWebページを読み込んで、表示する。JavaScript、CSS、画像などに関するコードや情報をソースから抜き出して表示することができる。「Lookup」はさまざまなWebサービスを統合したアプリケーション。Webサービスを統合し、ローカルアプリケーションで利用できることを示している。欧米の辞書、百科事典がWebサービスで統合されていて、利用するソースを選んでキーワード入力するとそのキーワードの関連情報を表示する。
ウィンドウ上のオブジェクトサイズを測定
個人的には「Pixel Perfect」が面白かった。 Pixel Perfectはデスクトップ上の画像やアイコン、ウィンドウなど、どのようなオブジェクトでも、そのピクセルサイズを測ることができるアプリケーション。Flashを生かした半透明のウィンドウはマウスでドラッグでき、ウィンドウ端の目盛りでサイズを測る。Flahs技術をローカル環境に適用するApolloらしいアプリケーションだ。
「ScreenPlay」はマウスを使ってウィンドウ上に描画できるソフトウェア。プレゼンテーション時などに使うようだ。
これらのアプリケーションはこれまでの技術を使っても開発できたかもしれない。しかし、Webの技術を使ってローカル環境のアプリケーションをスピーディに開発できる点がApollpの面白さ。クロスプラットフォームなので、1度にWindows、Linux、Macで動作するアプリケーションを開発できるのも、開発期間の短縮につながるだろう。
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