Weekly Top 10

それでも気になる新OS

2007/03/19

 先週のアクセスランキング1位は「日本の企業はなぜOSをアップグレードしないのか」だった。Windows XPに比べて、Windows Vistaはセキュリティ対策が広範囲にわたっている。それなのに、なぜアメリカに比べて日本の企業内でアップグレードが進んでいないのかという疑問に対して、日米文化の差も一因ではないかというのがマイクロソフト チーフセキュリティアドバイザー 高橋正和氏の見解だった。

NewsInsight Weeky Top 10
(2007年3月11日〜3月17日)
1位 「日本の企業はなぜOSをアップグレードしないのか」
2位 HTMLに再び風は吹くか、そして「HTML 5.0」は
3位 消費電力が1年半で10分の1、インテルがクアッドコア新製品
4位 グーグル出身者が、はてな取締役に――サービスの国際化図る
5位 はてな、新たな不正侵入が判明
6位 堀江被告の実刑判決と、地裁に現れた謎の“サークル”
7位 大日本印刷から個人情報863万件以上が流出
8位 「Excelで使われる機能トップ10」から考えるユーザビリティ向上
9位 「Gmail」にあいまいな態度を取る「Thunderbird 2.0」の事情
10位 ASUSが世界最初の“サイド・ショウ”ノートを国内発売

 Windows Vistaが発売されて1カ月半が経つが、新規にパソコンを買ったというユーザー以外で、Windows Vistaを使っているという話を周囲で聞かない。法人ユーザーに比べて新しいものを採り入れるのが早い個人ユーザーですら「Vistaは次の買い替えで」と考えている人は多い。要求ハードウェアスペックがWindows XPに比べて格段に高いため、そのままVistaが使えるパソコンを持っているユーザーは多くない。

 法人ユーザーとなると、ハードウェアへの追加投資をしてまでアップグレードする理由がない。セキュリティ対策については、すでにサードパーティ製のソフトウェアやハードウェアでさまざまに行っているだろうし、何より、現在稼働しているソフトウェアやハードウェアが、そのまま動作する保証がない。BCNの田中繁廣取締役は、Windows Vista発売でパソコン出荷数があまり伸びていない大きな要因として、アプリケーションのVista対応が遅れたことを指摘する(参考記事)。

 Windows 95のときには「インターネットに対応」、Windows XPでは「ブロードバンドに対応」と、かつて新OSの登場時には、はっきりと目に見える違いがあった。しかし、もはや新しいOSが出ても、そのこと自体が話題になって買い換えが進むような時代ではない。そうした時代の変化を感じつつも、新しいOSの評判自体はどうも気になる、というのが、今回の記事がアクセスランキングトップになった理由だろうか。

(@IT 西村賢)

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