CMOカウンシル レポート
信頼できない企業には厳しい対処をする日本人
2007/03/22
CMO(Chief Marketing Officer)という役職がある。多くの場合、最高マーケティング責任者(あるいは執行役員)と訳される。企業のマーケティング業務全般について、その有効性の向上や改善活動を統括する。企業のブランド戦略に責任を持つ重要な役職でもある。
民間のNPO団体 CMOカウンシル(本部・米国カリフォルニア州)の加茂純氏によれば、CMOと最も密接にコミュニケーションをとる役職はCIOだという。セキュリティの脅威やIT関連のリスク対策を取り仕切るCIOと、それらのリスクから企業のブランド価値を守るCMOは、業務上で接点が多い。CMOカウンシルと米Emory大学との共同調査で「企業は情報漏えいが発覚した日に、0.63%から2.10%の株式市場での価値を失っている」という結果が出ているように、情報システム戦略とブランド戦略は、企業を推進していく重要な要素であり、互いに密接な関係にあるといっていい。
ただし、「CMOという役職が日本企業で広く認知されているとはいえない」(加茂氏)。CIOについても、言葉の認知度は高まっているが、実際企業にCIOが存在するかどうかは疑わしい。企業内にCMO(及びCIO)を設置するにあたり、ポイントとなるのは「法規制の存在」だと、米シマンテック エグゼクティブVP,CMO ジャニス・チャフィン(Janice Chaffin)氏はいう。個人情報保護対策や内部統制の強化など、企業に対する規制は強化傾向にあり、CMOやCIOの設置について、今後企業は否応なく対応を迫られることになるのだろう。
市場環境もこのような傾向を後押ししていると、チャフィン氏は指摘する。“オピニオンリーダーが信頼できない企業に対して取る行動”(Edelman Trust Barometer Conducted by StrategyOne)として、81%が「その企業の製品やサービスを利用しない」、65%が「知人にその企業の悪口をいう」など、日本人は信頼できない企業に対して厳しい態度で臨む傾向にあるという。
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