Windows Vistaが「若干、鈍い」中で

“Wintel”に「このままでいいのかという空気」、JEITA 秋草会長

2007/03/22

 「以前は撒き餌に群がるカツオの姿だったが普通に戻った」。電子情報技術産業協会 会長の秋草直之氏(富士通 代表取締役会長)は3月22日の定例記者会見でWindows Vista発売以後のユーザーの動向をこう説明した。

jeita01.jpg JEITA 会長の秋草直之氏

 秋草氏によるとWindows Vista発売後のPCの動きは「若干、鈍い」。ただ、秋草氏はユーザーが自分で考えて最適なPCを選んでいる結果と捉えていて、「ある意味、健全だ」と話した。“撒き餌に群がるカツオ”を引き合いに、過去は新OSというだけでPCを購入するユーザーが多かったと指摘。Windows Vistaは「堅実に浸透していくと考えている」と話した。

 ただ、Windows Vistaが企業に浸透していくためには、PCベンダは待っているだけではダメなようだ。秋草氏は「いまのWintelはどちらかいうとプロダクトアウトで、作る側が市場を作っている」と指摘し、「このままでいいのかという空気がある」と語った。秋草氏が考えるPCの今後の姿は、PC単体ではなく、ソフトウェアやシステム構築、マネージドサービスなどのソリューションを付け加えた「新しい商品」だ。

 日立製作所が法人向けPCの製造から撤退したように、いまのPCビジネスは低成長で儲からないビジネスだ。Wintelがプラットフォーム部分を押さえていて、PCベンダが独自性を出せないコモディティ商品になっていることが収益性を悪化させている。秋草氏はPCにソリューションを組み合わせることが今後のPC事業で重要になると指摘し、「ハコとしては日本のPCベンダは劣勢だが長期的には力を発揮する」と話した。

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(@IT 垣内郁栄)

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