日本市場における中小企業対策を強化
セールスフォース、目指すは「SMB 2.0」
2007/03/27
セールスフォース・ドットコムは3月27日、22世代目となるアップデート「Salesforce Spring '07」をリリースした。また、顧客とエンドユーザーのコラボレーションを可能にする新製品「AppSpace」を4月から提供開始すると発表した。
Spring '07の新機能は、主に「ユーザーインターフェイスの機能強化」や「電子メールの承認機能」、「時間ベースのワークフロー」、「Apexコード(ベータ)の実装」などが挙げられる。これらの機能のほとんどは、セールスフォースが2006年に実装した「IdeaExchange」に寄せられたユーザーの要望の上位だという。
IdeaExchangeとは、ユーザーがほしい機能を投稿し、ほかのユーザーがそれに投票してランキングするサービス。このサービスを開始したことにより、米セールスフォース・ドットコム ワールドワイド・コーポレートセールス&サービス部門担当プレジデント フランク・ヴァン・ヴィーネンダール(Frank van Veenendaal)氏は「よりユーザーの声を反映できるようになった。ユーザーも要望を出しやすくなったはずだ」と説明した。
Apexコード(ベータ)を実装したことにより、ユーザーは一層独自のカスタマイズを加えることができるようになった。「Apexコードの登場によって、カスタマイズ指向の強いユーザーの場合、より独自色の強い利用方法が出てくるのではないかと想定している」(ヴィーネンダール氏)と述べた。
また、ヴィーネンダール氏は日本における中小企業(SMB)市場への取り組み強化を発表。日本に165万社存在するといわれる中小企業に対して、「中小企業も悩んでいる課題は大企業と同じ売り上げや販売サポートなどについてだ。この点について、大企業も中小企業も関係ない。一方で、資金力に乏しい中小企業は、大企業のようにインフラに投資する資金が足りないケースが多かった。しかし、インターネット回線とPCさえあれば利用できるSalesforceだと、大企業と同等のサービスがインフラ投資なしで利用できる」とSaaSのメリットを強調した。
セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長 宇陀栄次氏は、「日本における中小企業のSaaS採用が急増している。支出は約134億4000万円(1億1200万ドル)から約147億6000万円(1億2300万ドル)に、普及率は2006年の13%から15%へ上昇する。これらの数値を見ても、すでに『SMB 2.0』の時代へ突入しているといえるだろう」とコメント。さらに、「日本における中小企業対策を充実させるために当社の営業部隊を、大企業向けと中小企業向けに2分する。大企業と中小企業は従業員数1000名で分ける。営業部隊は現在の30名弱から60名程度にまで増やしたい。さらにソフトバンクなどのパートナーとの連携を強化し、SMBへの売り上げ増を狙う」と今後の方針を説明した。
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