上位エディションも好調

Windows Vistaの売れ行きは「XPの2倍以上」とMS

2007/03/27

 Windows Vistaは一般発売後の最初の月である2007年2月に、全世界で2000万本以上販売された。

 これは、Windows XPが2001年10月に発売されてから2カ月に販売された本数1700万本を大きく上回ると、マイクロソフトのWindowsクライアント部門ディレクター ケビン・カッツ氏は3月26日の取材でeWEEKに語った。

 「この販売本数は、全世界の小売業者、PCメーカー、Express Upgradeプログラムからの売り上げを反映したもの。初期段階でWindows XPの2倍以上の販売ペースを達成し、Vistaを最も採用ペースの速いWindowsにする方向へ順調に進んでいる」(同氏)

 カッツ氏は地域ごとあるいはエディションごとの販売内訳を明かすことは控えたが、全世界で販売好調で、Vistaの売り上げの多くは新しいPCを購入する人々からのものだと語った。

 「高額なエディションの売り上げも好調だ」と同氏は付け加えた。

 この販売データは、マイクロソフトが小売店、PCメーカー、およびExpress Upgradeプログラムからの2月の販売報告を基にまとめたもの。

 米デルなど一部のマイクロソフト ハードウェアパートナーによると、Vistaの高額なバージョンに強い関心が寄せられている。

 「Windows Vistaの立ち上げ以来、デルのコンシューマー顧客は圧倒的に、音楽、ビデオ、写真、その他自分で選んだアプリケーションでよりリッチな体験ができる高額なバージョンを選んでいる」とデルのコンシューマー製品部門副社長ニール・ハンド氏は声明文で述べている。

 マイクロソフトは4月末の四半期決算発表時に、地域別、バージョン別の詳細な売り上げを開示すると見られる。

 一部アナリストは、マイクロソフトがVistaおよびLonghorn Serverで採用する新しい違法コピー対策・確認ツールのせいもあって、2007年に企業によるこれらOSの採用がほとんど増えないことは確かだろうと指摘してきた。

 カッツ氏は、季節によって異なるものの、従来、製品立ち上げ直後に売り上げが急増する傾向があると認めた。

 「年末商戦前の10月末に発売されたWindows XPでは、売り上げに年末商戦のラッシュの分が含まれていたことは特筆しておくべきだ。だから発売時期という点で比較するなら、8月に立ち上げられたWindows 95まで戻らなくてはならない」(同氏)

 「だが一般的にはリリース直後に売り上げが集中し、その後通常の状態に戻る。その後は全般的に言って、PC売り上げの全体的な予測に従う傾向がある」と同氏は語った。

 調査会社ガートナーは最近、今年は世界PC出荷台数が10.5%増加して合計で2億5570万台に達し、売上高は4.6%増の2137億ドルになるとの予測を示した。

 マイクロソフトは、Vistaを11月30日にボリュームライセンス顧客向けに立ち上げてからの1カ月間の売り上げを具体的に明かしていないが、カッツ氏は「大手顧客は強い関心を持っており、企業での採用に関して言えば、現段階の売り上げに非常に満足している」と語った。

 マイクロソフトはVistaへのコンシューマーの需要の度合いに対する強い関心に応えて売り上げを公表し、またXPとの比較を示すことにしたと同氏は言う。

 初期の好調な売れ行きが3月も続いているかとの質問に対し、カッツ氏は、マイクロソフトは引き続き売れ行きに満足していると語るにとどめた。

 Office 2007の2月の売り上げに関して、マイクロソフトは売り上げを開示していないと同氏は語り、「Office担当者は今のところ、最初の反響に満足している」と付け加えた。

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

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