Windows Liveとガジェット開発
ガジェットと将来のビジネスモデルの関係、MS
2007/04/03
「ガジェット」(gadget)の本来の意味は、ちょっとした機械装置や気の利いた小物(新英和中辞典 第6版)だが、ITの世界では、(AJAXを含む)JavaScriptで構築されたミニアプリケーションを指す。デスクトップ上に置かれるものと、Webブラウザで動作するものの2つのタイプがある。コンセプト自体は古く、Java自体が存在しない昔からそれらしいものがあったが、最近では改めてその役割が見直されている。
ガジェットの技術構造は非常にシンプルである。外部からデータを参照するためにXMLで記述された「マニフェスト」と、インターフェイスを表示するHTMLファイル、および動的な振る舞いを記述するJSファイル(JavaScript)があればいい。あとはオプションとして、スタイルシート(CSS)やGIFやPNG拡張子のアイコンがあるくらいだ。
マイクロソフト オンラインサービス事業部では、ソフトウェア開発者を意識し、Windows Live上でガジェット構築用のAPIを公開、SDKも用意している。開発環境である「Visual Studio」やmsdnといった開発プラットフォームとの統合も行っている。
マイクロソフトにおいて、ガジェットとは、ミニWebアプリケーションとしての「Liveガジェット」と、Vista環境で動作するミニデスクトップ・アプリケーションとしての「サイドバー・ガジェット」(いわゆるVistaガジェット)の2種類がある。基本構造はどちらも同じで、UIを表示するHTMLファイルを保持し、ZIP/CABでパッケージ化してある。拡張子.gadgetとしてローカルで実行するのがVistaガジェット、サーバ上で実行させ、配信されるHTMLをUIで表示させるのがLiveガジェットだ。
Windows Live Galleryを通じて、同社はガジェット開発者向けの情報を提供している。同サイトは、開発者の成果を登録・公開する機能や、登録・公開されたソフトウェアのダウンロード、評価ができるコミュニティ機能も有する。
マイクロソフト オンラインサービス事業部 プロダクトマネージメントグループ Windows Liveチーム シニアマネージャ 安藤浩ニ氏によると、Windows Liveにおけるガジェットの役割は、広告による収益を得るビジネスモデルを意識したものだという。現在、日本人によって構築された日本語のガジェットは45(2007年4月3日現在)だが、「近いうちに10倍程度に増やしたい」と安藤氏は話す。
Windows Liveで動作するガジェットが増えることで、Windows Live IDに紐付いた認証によって、Live.com、スペース、モバイルといったLiveサービスの横串による広告事業が展開できるようになる。ガジェット開発者とは、広告費による売り上げをシェアする方式(レベニュー・シェア)を採用する予定。9月には開発者とのレベニュー・シェアを開始する。
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