2009年から国内外の自動車メーカーに販売

日産とNECがリチウムイオン電池で合弁会社設立

2007/04/13

aesc01.jpg 会見に臨む各社の経営陣

 日産自動車とNEC、NECトーキンの3社は4月13日、電動自動車向けのリチウムイオン電池の供給を専門に行う合弁会社「オートモーティブ・エナジー・サプライ」(AESC)の設立で合意したと発表した。2009年度までに量産を開始し、国内外の自動車産業関連メーカー各社に販売する。電池の材料や電極の技術に強いNECと、電池の性能を自動車で引き出すノウハウを持つ日産のシナジー効果を狙う。

aesc02.jpg 量産直前の段階というラミネート型リチウムイオン電池

 ノートPCや携帯電話で使われるリチウムイオン電池は、正極の材料にコバルトを用いたもので過充電時に爆発や発火の危険性がある。このため保護回路が必須となりコストや電池容積の面で不利となる。NECと日産がこれまで取り組んできたリチウムイオン電池は正極の材料にマンガンを用いたもので、過充電の問題がなく安全性の高いという。また、コバルトの調達コストが高騰していることに対し、マンガンは埋蔵量が豊富で、現時点では理想的な方式だという。

 マンガンを用いたリチウムイオン電池は重量当たりの発生エネルギーが低いことが課題だったが、両社は共同研究で材料を円筒形のセルではなく、積層型のラミネート型とすることで従来比2倍の出力を達成した。

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(@IT 西村賢)

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