iTunesなどのアプリ互換性が課題
Windows Vista普及を阻む“iTunes問題”
2007/04/17
「相互運用性の取り組みで大変だったのはWindows Vistaのデバイス対応だ。Vistaにはプリンタドライバだけで5500本入っている。そのうち、日本メーカーのドライバが8割。セキュリティ検証などの作業が大変だった」。マイクロソフトの最高技術責任者 加治佐俊一氏は、同社の相互運用性への取り組みをこう説明する。マイクロソフトの代表執行役社長 ダレン・ヒューストン氏も、「相互運用性はわれわれの戦略のそのもの。相互運用性を達成できないとマイクロソフトのビジネスはあり得ない」と話す。
だが、1月末に一般発売したWindows Vistaの普及を阻んでいる要素の1つには、アプリケーションの互換性問題があると指摘されている。特にグラフィックス系、マルチメディア系ソフトウェアの対応が進んでいない。加治佐氏は「ソフトウェアの対応が進んでいないのはその通り。ベータ版のときから対応を進めてきたが、残念ながらいまもやっている」と説明し、「これからも互換性確保の取り組みを続けていく」と話した。
マイクロソフトは4月23日にVistaの互換状況を説明する説明会を開催する予定。ヒューストン氏は「iTunesなど、メディアで語られるさまざまなことについて、最新情報を発表したい」と話した。iTunesは最新版の7.1でVistaに対応したが、まだ一部に互換性問題を残している。
オフィス文書の互換性問題も浮上
マイクロソフトについてはオフィス文書の互換性問題も浮上している。マイクロソフトはOffice 2007で本格採用した「Office Open XML」(OOXML)を、Ecma(European Computer Manufacturer Association:欧州電子計算機工業会)での標準に続いて、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)でも標準として認められることを狙っている。競合規格ですでにISO規格となっている「OpenDocument Format」(ODF)との互換性の問題が出る可能性がある。
北米地域以外のビジネスを管轄するマイクロソフト インターナショナルのプレジデント ジャン・フィリップ・クルトワ氏は「世界にはすでに何兆ものドキュメントがあり、(OOXMLで)これをオープンにしていかないといけない」と標準化への期待を語った。一方、ODFとの互換性も重要として「ODFとのシームレスな変換のためのコンバータも開発してきた」と話した。
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