Microsoft Dynamics AXを6月提供
巨人MSの参入で中堅向けERP市場はどうなる?
2007/04/18
マイクロソフトは4月18日、中堅企業向けのERPパッケージ「Microsoft Dynamics AX 4.0日本語版」を6月にリリースすると発表した。昨年のDynamics CRMに次ぐ業務アプリケーションの提供で、中堅中小企業の市場開拓を進める。
AXは会計管理やサプライチェーン管理、在庫/倉庫管理、生産管理、CRM、人事管理、プロジェクト管理、業務管理などのERPとしての基本的な機能を備える。欧米で蓄積したノウハウを反映した。加えて、日本向け機能として和暦対応やカタカナ表記、日本様式の財務諸表、T字型仕訳入力画面、全銀協フォーマット対応、消費税レポートなどを追加する。
マイクロソフトのマイクロソフトビジネスソリューション事業統括本部 MBSプロダクトマーケティング本部 本部長 御代茂樹氏は「日本語版というよりも“日本版”製品だ」と話した。
AXの特徴は、CRMと同様に、Microsoft Officeなどとの親和性の高さ。専用クライアントのインターフェイスをほかのマイクロソフト製品に似せることで、ユーザーが違和感なく使えるようにした。Micrsoft ExcelやWord、Outlookなどとの連携も可能にする。
また、エンドユーザーがERPパッケージを自由にカスタマイズできるようにし、使い勝手を向上させる。ERPパッケージの構造を、標準機能とサードパーティアドオン、ユーザーカスタマイズの3層に分けることで、大規模なカスタマイズを行ってもアップグレードが容易にできるようにもした。AXは基本機能を備える「アドバンスド マネージメント」と、会計管理機能に絞った「ビジネス エッセンシャルズ」の2つのパッケージを用意する。
利用を想定しているのは従業員が50〜500人の中堅企業だが、御代氏は「海外では3000人以上の利用もある」として、大企業にも売り込む考えを示した。CRMではパートナーのソリューションや、他社の業務アプリケーションと組み合わせて販売するケースが多い。AXでも同様の戦略を採る考えで、御代氏は「パートナーやベンダと連携する取り組みを進めている」と話した。
中堅企業向けERP市場は、富士通、大塚商会など国産ソフトウェアベンダが強みを持つ。これらのソフトウェアベンダはマイクロソフトの重要なパートナーであることが多く、マイクロソフトは製品戦略で難しい舵取りを迫られる。御代氏は「日本のベンダに補完的なソリューションを提供する」と説明し、競合製品を持つベンダとも協力が可能と訴えている。
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