日本最大規模となる5000ユーザーからスタート
郵便局もSaaSの時代に突入
2007/04/19
セールスフォース・ドットコムは4月19日、NTTデータと連携し、日本郵政公社にSalesforceを提供することに決定したと発表した。まずは5000ユーザーから利用を開始し、将来的には全国2万5000事業所での利用も検討しているという。
今回の導入は、NTTデータが日本郵政公社の「顧客情報管理システム提供サービス等の委託」を落札したのに伴い、同社と連携したセールスフォースが同サービスの一部をオンラインSFAである「Salesforce」で提供するというもの。郵政公社によると、まずは10月に発足する郵便局株式会社が5000ユーザーから利用を開始し、テストなどを行った後、順次利用を拡大していく予定だという。5000ユーザーの利用は、日本で従来最大規模だったみずほグループの2100ユーザーを上回る。
セールスフォース・ドットコムの代表取締役社長 宇陀栄次氏は、「日本郵政公社は特に高機能のSFAやCRMを求めているわけではなかった。しかし、同社の性質上、将来的にどのように組織が変化していくか未知数である部分が多いため、拡張性をとにかく重視していた。その結果、パッケージ製品ではなく、オンラインで柔軟に機能を拡張できる当社サービスを選択してくれた。また、全国2万5000事業所での利用を想定すると、パッチやアップグレードの心配がないオンデマンドサービスのメリットが大きかった」と語り、郵政公社がSalesforceを選択した理由を説明した。
この発表に合わせて来日した米セールスフォース・ドットコム CEOのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏は、日本市場の好調ぶりをアピール。「日本市場は急成長している。過去12カ月でユーザー数が40%増加した。米国の次に大きい市場だ。世界で最も早く成長しているマーケットといえるだろう。特に金融業界が好調で、本日も最新ユーザーとして三菱UFJ信託銀行が600ユーザーを導入したことを発表する。今後は、さらに金融業界に力を入れていくつもりだ」とコメントした。
ベニオフ氏は、信頼性やレスポンス速度をアピール。信頼性では、現在は米国内の2個所のデータセンタでミラーリングバックアップを行っており、ディザスタリカバリが万全であると強調した。レスポンス速度は、1日に8000万件を超えるほどトランザクションが増加しているのにもかかわらず、ページ応答速度は2005年の500ミリセカンド強から、半分以下の250ミリセカンドまで低下していると発表した。この点について同氏は、「日本郵政公社が当社サービスを導入したことは、すなわち当社のサービスの信頼性や品質に対して郵政公社が合格点を出したのと同義だ。今後、日本のさまざまな企業が郵政公社が導入した安心感から、Salesforceを選ぶ企業も多いのではないか」とコメントし、郵政公社の導入によって安心した企業が後追いで導入するのではないかと期待を寄せた。
次に米国ではすでに導入されているものの、日本で未導入だったコミュニティサービス「Successforce.com」やデベロッパーネットワーク「AppExchange incubators」を日本でも開始すると発表した。Successforce.com日本語版は本日から提供開始されており、AppExchange incubatorsは、間もなく行われるセールスフォース・ドットコム日本法人の引越しに合わせて開設予定だという。
そして、AppExchangeなど同社関連プログラムを販売する場となる「AppStore」を2007年後半に開始すると発表し、日本でも早急に開始したいとした。ベニオフ氏は、「AppStoreの登場で、私のビジョンが完成した。当初、オンラインSFAとしてサービスを開始したSalesforce.comも、いまやプラットフォームとして完成しつつある」とコメントし、同氏のビジョンが完成しつつあることをアピールした。
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