ITとネットワークを融合したプラットフォームサービスを提供
新しいITの幕開け〜NECが新サービス開始
2007/04/23
NECは4月23日、携帯クレジットサービスや映像サービスなど、ITとネットワークを融合したシステムの構築を行うソリューションを体系化し、「サービスプラットフォーム」として販売を開始すると発表した。同社では、今後3年間で8000億円の売り上げを目指す。
サービスプラットフォームは、企業がネットワークを利用して顧客に対してサービスを提供する際の基盤となるプラットフォーム。例えば、携帯クレジットサービスのような企業間連携システムや、IPテレビなどの映像サービス、音声と映像を組み合わせたコミュニケーションサービスなどを可能とする。また、NGNのような広帯域・帯域保証・高度なセキュリティを特長に持つネットワークインフラの基礎にもなり得るとしている。
NEC 取締役 執行役員専務 相澤正俊氏は、「当社は、すでにNTTドコモのiモードシステム『CiRCUS』や携帯クレジットシステム『CREMO』、JR東日本の『モバイルSuica』、NHKの『NHKアーカイブス』など、ITとネットワークを融合させたシステムを構築してきた実績がある。ITサービスは楽天やグーグルなどが、ネットワークはキャリアといった専門がいるが、ITとネットワークを融合させたSIerはまだまだ少ない。これからはITだけでなくネットワークもできなければならない。ネットワークは今後どんどん変わっていくだろう」と語り、同社の実績に基づいた複合サービスを提供できる点をアピールした。
具体的には、「ソリューション」「システムモデルとミドルウェア」「コンサルティングサービス」の3つを主に融合させて提供する。ソリューションは、アプリケーション領域、基本サービス領域、プラットフォームマネージドサービス領域の3領域を提供する。システムモデルでは、ユーザーのニーズに応じたシステムユニットの組み合わせを作るほか、「システムモデル検証センター(仮称)」を新設し、システムモデルの開発や評価などを行う。ミドルウェアは、サービスプラットフォーム構築に必要な6領域において開発・整備した。
コンサルティングサービスでは、業界をまたがったビジネスモデル提案を行うビジネスコンサルティング部隊や、新しいビジネスモデルを実現するためのシステムコンサルティング部隊の2つの部隊をメインに展開する。コンサルティング提供に当たり、NECプロフェッショナル認定制度を活用してNECグループ全体で専門家を育成し、3年後に100名体制を目指すとした。
NEC 執行役員 通信・メディアソリューション事業本部長 富山卓二氏は、今後の目標について「現在、当社が実施している基幹構築のうち、約30%がサービスプラットフォームになると予測している。サービスプラットフォームに相当する分野の売り上げは2006年度が約1500億円程度だったので、年率30%の成長で07年度には約2000億円、09年度には約3400億円になると想定し、3年間の目標額を8000億円とした。海外ベンダを含めても、『ITに強いSIer』や『ネットワークに強いSIer』は存在するが、両方に強いベンダは世界的に見てもNECだけだと自負している。世界にもサービスプラットフォームを提供していきたい」と説明し、世界進出も視野に入れていることを明らかにした。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
最新記事
|
|