日本ではパートナーシップを重視した戦略を展開

SAPやオラクルよりすごい!? 急成長のインフォア社長に村上氏が就任

2007/04/24

 日本インフォア・グローバル・ソリューションズは4月24日、報道関係者向けの説明会を実施。3月16日付けで同社代表取締役社長に就任した村上智氏が今後の経営方針などを説明した。

 米インフォアは、中堅・中小企業を対象としてERPやSCMなどのパッケージソフトを提供している会社。2001年に創業後、2002年から買収戦略を開始し、急成長を遂げている。2006年5月には業界大手のSSAグローバルを買収し、世界第3位の製造業向けソフトベンダとなっている。

村上氏写真 日本オラクルインフォメーションシステムズの代表取締役から、日本インフォア・グローバル・ソリューションズ代表取締役社長に就任した村上智氏

 インフォアによると、同市場ではSAPやオラクルなどの超大手と、業界に特化したニッチプロバイダが主なベンダに二極化しており、インフォアはこの間に存在する市場の溝を埋める製品を投入してシェアを拡大してきたという。また、この溝を埋めるために足りない機能を買収戦略によって補ってきたとした。インフォア・グローバル・ソリューションズ アジア太平洋シニアバイスプレジデント ローレンス・チャン(Lawrence Chan)氏によると、「創業時の製品構成を1とすると、現在は100種類くらいの製品を買収して統合した形になっている。足りない機能をどんどん継ぎ足していったためだ。創業からたった5年間でここまで急成長した企業はほかにはないだろう」と説明した。チャン氏は「今年もすでに2000社が当社の製品を導入しており好調だ。日本でもすでに1000社を超える顧客がいる」と実績をアピールした。

 新たに日本インフォアの社長に就任した村上氏の前職は、日本オラクルインフォメーションシステムズ(旧日本ピープルソフト、JD Edwards、シーベル)の代表取締役。同氏はEMCジャパンや日本ピープルソフトなどで営業責任者を歴任し、「米国本社はなかなか理解できない日本特有のパートナーシップによる再販制度を熟知している」(村上氏)点を買われ、インフォア社長に就任したという。同氏は今後の日本における戦略について、「日本では後発だが、チャネルパートナーを主体として販売していく。私が注力するのは“整合性”。いまの日本におけるインフォアに足りないのは知名度と整合性だからだ」と説明した。

 パートナー戦略ではパートナー数をむやみに増やすのではなく、「セールスのすべての段階でサポートしていく。パートナーとはビジネスプランの段階から協力し、プリセールスやマーケティングも共同で行う。また、この業界はマーケットごとのコンサルタントの数がモノをいう世界だ。まずはコンサルタントの数と質を上げていきたい。数を増やすために、パートナーのコンサルタントも教育していく」(村上氏)と説明。特に注力する業種には、ハイテク(電機、電子)、流通、産業機械・装置、小売、自動車部品製造、3PL、CPG(一般消費財)、サービスの8業種を挙げた。

(@IT 大津心)

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