JEITAとBAJが発表
「ノートPCの発火事故はもう起こさない」、業界団体が技術提言
2007/04/25
電子情報技術産業協会(JEITA)と電池工業会(BAJ)は、昨年発生したノートPCのリチウムイオン二次電池の発火事故を受けて、業界として今後のリチウムイオンの安全利用を推進するためのガイドライン「ノート型PCにおけるリチウムイオン二次電池の安全利用に関する手引書」(手引書)を4月20日に発表した。手引書について4月25日に説明したJEIATAのノートPCリチウムイオン電池安全利用特別委員会 委員長の山本正己氏は、手引書の準拠をPCベンダに強く求め、「今後は発火に至る事故は起こさない。極論すると重大事故ゼロを目指す」と話した。
手引書には法的な拘束力はないが、JEITAはノートPCのベンダに準拠を強く求める。JEITAに参加していないPCベンダや海外ベンダにも利用を呼びかける。BAJの小型二次電池部会 部会長の中谷謙助氏は手引書について「これは事故対策ではない。事故については各ベンダがすでに“治療”を終えている。手引書は先を考えた“予防”といえる」と話した。
手引書は、リチウムイオン電池の熱暴走について電池への異物の混入や、複数の電池を組み合わせる組電池の電圧バランスの崩れ、高圧による充電などで内部短絡が起こることを要因の1つに挙げた。そのうえで組電池を使ったノートPCの設計について、単電池間にスペースを設けることや排出された高温の電解液蒸気をうまく排出すること、組電池を落下、振動させた場合に使用を控えるようにユーザーに注意喚起すること、過充電しないことなどを求めている。
また、リチウムイオン電池の劣化もリスクになるとして、組電池の容量保持率が50%以下になった場合にユーザーに警告し、30%以下では使用を禁止するメッセージを発することなども提案している。
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