TrustViewがDRM製品を投入
企業のAutoCAD、Pro/Engineerデータが狙われている
2007/05/11
企業の機密情報漏えいが続いている。うっかりミスによる情報の流出ではなく、設計データやCADデータなどの製造に関する機密情報が狙い撃ちをされている。背景には製造業のグローバル展開がある。さまざまな国に工場を設けることで、機密情報の漏えいリスクが高まっているのだ。台湾のソフトウェアベンダ、TrustViewは製造業で広く使われるデータフォーマットを保護するデジタル・ライツ・マネジメント(DRM)製品の国内展開を始めた。
TrustViewは2007年初めに日本法人を設立し、本格展開を開始。注目されるのはAutoCAD、Pro/Engineerという製造業で幅広く使われるアプリケーションのデータを保護するDRM製品をラインアップに持つことだ。オフィスドキュメントを保護するDRM製品は多くあるが、産業系のアプリケーションデータを守る製品は多くない。TrustView日本法人の取締役副社長 洪麗雅氏は「世界展開をする製造業にニーズがある」と話す。すでに国内の大手デジタルカメラメーカーがTrustView製品を使っているという。
AutoCAD対応の「DRM for AutoCAD」、Pro/Engineer対応の「DRM for Pro/E」ともポリシーサーバを立てて、ユーザーの権限に応じてファイルの利用をコントロールする仕組み。ファイルは自動で暗号化され、ポリシーサーバに許可されないと閲覧できない。ユーザーの権限によってファイルの閲覧/保存/コピー/印刷などを制限可能だ。この仕組み自体はオフィスドキュメントを対象にしたDRM製品とほぼ同じだが、機能をAutoCAD、Pro/Engineerに組み込むことができ、ユーザーはシームレスにDRM機能を利用できる。
TrustViewはほかにオフィスドキュメントを対象にしたDRM製品、PDFを対象にしたDRM製品も持つ。PDAベンダのHTCやソニーの台湾法人などがすでに顧客。洪麗雅氏によると日本、台湾、中国で150社以上の顧客を持つという。TrustView製品は北京語など多言語に対応するため、「中国の子会社でも利用できる」(洪麗雅氏)と国内製造業にメリットを強調する考えだ。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
最新記事
|
|