日商エレクトロニクスが国内展開を開始
576TBのSAN/NASストレージを安価に集約、米Pillar
2007/05/14
日商エレクトロニクスは5月14日、同社が3月23日に国内販売開始を発表している米Pillar Data Systemsのストレージ機器「Pillar Axiom Storage System」を報道関係者に紹介した。
Pillar Data Systemsは2001年に、米オラクルCEO ラリー・エリソン氏の私的ファンドによる出資を得て設立された企業。2005年6月に最初の製品を出荷開始してから約2年で、約200社の顧客に対し9PB以上を出荷したという。
Axiomの特徴は1システムで5TBから576TB(5月15日発売の750GBディスクドライブ使用時)まで拡張でき、さらにこれを他社に比べて安価に提供できること。
こうした拡張では一般的に、単一ベンダの製品であっても容量ベースのソフトウェアライセンス体系によってコストが増加する。別製品シリーズへの移行が必要となるケースもある。一方Axiomではソフトウェアライセンス料を1度支払うだけでよい。
Axiomは3種類のコンポーネントで構成される。コントローラ部分の「Slammer Storage Controller」、管理モジュールの「Pilot Policy Controller」、そしてディスクドライブを格納する「SATA/Fibre Channel Brick Storage Enclosure」だ。SlammerはNAS、ファイバーチャネルSANのいずれかに設定可能。例えば1台のSlammerをNAS、もう1台のSlammerをSANに設定し、これら2台の配下にBrick群を配置する構成にすれば、SANストレージとNASストレージを1つのストレージシステムに統合することができる。そしてパフォーマンスを向上させたい場合はSlammerを追加し、容量を増やしたい場合はBrickを増設することができる。RAIDコントローラはBrickに搭載されているため、ストレージ容量の拡張によるパフォーマンスの劣化は少ないとしている。
初期導入や容量追加には、使いやすい管理ツールが提供されているため、専門家の作業が不要という点でも運用コストを軽減できるという。容量追加はダウンタイムなしで行うことができるが、いわゆるシンプロビジョニング機能(ストレージの自動構成で設定時間を短縮化する機能)には今年9月に対応の予定。
価格の目安はSlammerが1台、Pilotが1台、Brickが2台で容量10TBを実現する構成で約2000万円。SlammerとPilotはハードウェアが標準で二重化されている。
日商エレクトロニクスでは、DASからネットワークストレージへの移行をこれから行う企業や、低価格で信頼性の高いストレージを求めている企業を狙いたいとしている。アーカイブ目的のセカンダリストレージ需要にも期待しているという。
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