CDPソリューションも展開開始
中小企業では値段が重要なポイント〜CA、中堅企業市場へ参入
2007/05/15
日本CAは5月15日、障害発生時にデータやアプリケーションを迅速に復旧できる継続的なデータ保護(CDP:Continuous Data Protection)ソリューション「CA ARCserve Replication」シリーズを発表した。中小企業を視野に入れ、最小構成価格は68万400円から。
ARCserve Replicationシリーズは、米CAが2006年7月に買収した米XOsoftの技術をベースに開発した製品。従来よりCAでは、バックアップソリューション「CA ARCserve Backup」シリーズを提供してきており同社の主力製品の1つだが、今回発表したReplicationシリーズは「Backupシリーズよりも、さらにリアルタイムに近い現状復帰を実現する製品。Backupシリーズは1日1回程度のバックアップでよい環境向けなので、その点において異なる」(日本CA 代表取締役社長 根塚眞太郎氏)と違いを説明した。
米CAはワールドワイドの戦略として、従来の大企業向け製品に加え、ミッドマーケット(中堅、中小企業)向けマーケットを視野に入れた事業部門を新設。従業員規模500人〜5000人規模の企業に対応したソリューションも提供していく。米CA ストレージ/ミッドマーケット担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャ ロバート・デイビス(Robert Davis)氏は、「ミッドマーケットはワールドワイドで6万6000社、日本は約10%の6000社あるといわれている。この市場では価格が重要なポイントとなる。また、この市場へは、主にパートナー企業経由で販売するため、専任のパートナー支援チームも結成した」と語った。
ARCserve Replicationシリーズは、レプリケーションやCDP、自動フェイルオーバーなどの機能を提供し、同社のリカバリ管理ソリューションを強化する製品群。「CA ARCserve Replication」「CA ARCserve High Availability」「CA ARCserve Content Distribution」「CA ARCserve Recovery」「CA ARCserve CDP Solo」の5製品で構成されている。
CA ARCserve Replicationは、アプリケーションの変更をトリガーとしてレプリケーションを行う技術「Rewind Technology」を搭載し、スナップショット技術を補完するレプリケーションソリューション。CA ARCserve High Availabilityは、フェイルオーバー/フェイルバック機能を提供する。CA ARCserve Content Distributionは、各拠点に散在するデータを中央のデータベースにおいて一括してバックアップおよびレプリケーションを可能にする製品。CA ARCserve Recoveryは、通常停止しないとできないリカバリテストを、レプリカサーバのスプール領域を使うことで停止することなく実現するソフトウェア。CA ARCserve CDP Soloは、「Rewind Technology」のスタンドアロン製品。時間単位ではなく、イベント単位でのデータリカバリができるようになる。
対応OSはWindows 2000/2003に加え、Red Hat Linux、Solaris、AIXにも7月より順次対応していく予定だ。また、Microsoft Exchange Server、Microsoft SQL Serverに対応し、IIS、Oracleにも対応していく。
根塚氏は、「1993年のWTCの爆破事件では日本企業20社が巻き込まれた。その際、最も重要な課題となったのが、『どうやって元の状態に戻すか?』だ。重要な企業データを復帰できない場合、最悪資金の移動ができずに倒産する可能性すらある。これは現在でも同じ重要な問題だ。企業はまずミッションクリティカルなデータをリカバリし、それから社員データなどを復帰させていく。このように、データの重要度を決定し、重要なデータであればリアルタイムにバックアップ、リカバリする必要がある。これは、企業の規模に関係ない問題だ」と語り、バックアップおよびレプリケーションの重要性を説いた。
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