「必ずこうなる」
ネット業界「9つの仮説」――楽天・三木谷会長が示す
2007/05/17
20%超の出資により東京放送(TBS)との事業提携を目指している楽天の代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏は5月17日の決算会見で、国内のインターネット/メディア業界が今後迎える状況を説明する「9つの仮説」を示した。楽天の20%超の出資を拒むTBSや、楽天の構想を疑問視する声に対してネット/メディア業界の未来を示す資料で、三木谷氏は「若干時間がかかるかもしれないが必ずこうなる」と強調した。
三木谷氏がこの仮説から導き出した今後の戦略は、「コンテンツ・マーケットの確立」「マス向けコンテンツと(ターゲットを絞った)ロングテールコンテンツの両立」「ストリーミング、ダウンロードの徹底活用」「海外に対するコンテンツ配信」の4つ。三木谷氏は特にコンテンツ・マーケットについて「これがYouTubeのパワーの源だ」と指摘し、今後のネット/メディア企業に重要と説明した。ロングテールコンテンツについては「私が作った言葉」と話した。
三木谷氏は、今後の広告手法としては、ターゲットを絞り込むことができるインターネットと、マスに対して広くアプローチするテレビなどの既存メディアを連携させることが重要と指摘した。具体的には「オーディエンス参加型のWeb/携帯コンテンツとテレビコンテンツをマッチングし、番組の前後を含めた接触時間を増大させることで広告収益機会の拡大を実現する」こと。Webの特性を生かしてユーザーの特性や属性に合わせたパーソナライズ型の広告も提供する。
三木谷氏は「このビジネスモデルはTBSとやるのが有効と思う」と語り、TBSとの事業提携に意欲を見せた。ただ、「コンテンツ・マーケットプレイス、広告市場を作っていくことを考えると、別の会社ともやるのがいいだろう」とも語り、幅広い提携にも含みを持たせた。
四半期決算は減収減益
楽天の2007年第1四半期決算(2007年1-3月)は楽天証券、楽天KCなどが足を引っ張り、減収減益だった。売上高は前年同期比7.2%減の484億3400万円。営業利益は43.4%減の61億6800万円だった。経常利益は34.9%減の72億8300万円、純利益は41.1%減の21億6600万円だった。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
最新記事
|
|