「これでもItaniumを買いますか」

ライバルを挑発するIBM、新POWER搭載UNIXサーバを発表

2007/05/23

 日本IBMは5月23日、新開発のプロセッサ「POWER6」を初めて搭載したミッドレンジクラスのUNIXサーバ「IBM System p モデル570」を6月8日に出荷開始すると発表した。POWER6は最高4.7GHzの動作周波数を発揮しながらも、電力消費量は旧製品のPOWER5と同様に抑えたプロセッサ。日本IBMの理事 システムp事業部長 武藤和博氏は「これでもItaniumを買いますか」とライバル製品を挑発した。

 POWER6は65ナノプロセスで開発し、極薄SOI(Silicon On Insulator)などの独自技術を盛り込んだ。デュアルコアで動作し、POWER5の4倍の8MB L2キャッシュを搭載。クリティカルな回路にだけ高い電圧を供給する機能などがあり、全体の電力消費量を抑えることができるという。電力供給を調整することで、同じチップを高いパフォーマンスが要求されるSMP構成や、スケールアウト型のブレードサーバで利用できる。

p01.jpg 左から日本IBMの執行役員 渡辺朱美氏、米IBMのシステムp担当ゼネラル・マネージャー ロス・A・マウリ氏、日本IBMの理事 システムp事業部長 武藤和博氏

 また、10進数浮動小数点演算ユニットをコアに実装し、商用計算アプリケーションの半数以上を占めるといわれる10進数浮動小数点演算の処理速度を向上させた。IBMによると、従来のソフトウェアによる10進数浮動小数点演算と比較して、40倍以上の速度向上が期待できるという。金融計算、秒単位の通信料計算、会計業務などのアプリケーションで速度向上があるという。

 モデル570は3.5GHz、4.2GHz、4.7GHzのデュアルコアPOWER6を2〜16コア搭載する。IBMによるとコア当たりのスループットは他社同等機の約3倍、Java仮想マシンでは約6倍の性能を誇る。AIX5.2以降に対応。SUSE Linux Enterprise 10 SP1 for POWER以降、Red Hat Enterprise Linux 4 Update以降も稼働する。価格は1228万380円から。

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(@IT 垣内郁栄)

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