HPが提案するちょっとだけ未来の生活

HP Cooltown Innovation Centerフォトレポート

2007/05/24

クールタウン写真1 HP Asia Pacificの外観

 HP Asia Pacific(シンガポール)にある「クールタウン・イノベーション・センター」では、同社の先端技術を生かした“ちょっとだけ未来”のわれわれの生活をうかがうことできる。ショーケースは、フィナンシャル・サービスやヘルスケア、オフィス環境などいくつかのカテゴリに分けられている。

デジタルホームと音声認識

 部屋にある電子機器はIP網に接続され、さまざまな外部のB2Bアプリケーションとつながる。またそれらのサービスは個人のスケジュールデータと連動している。入力インターフェイスは発達した音声認識技術で開発される。

クールタウン写真2

 データの入力インターフェイスという観点で考えると、現在主流のキーボードではなく、タッチパネルの方が利用率が高まりそうだ。写真は、木製のテーブルにディスプレイを仕込んだもの。アイコンを触ることで部屋の中にあるオーディオ装置が動いたりする。また、音楽データを詰め込んだPDAや携帯電話と接触するだけで、ディスプレイを介してデータをサーバにダウンロードするインターフェイスもすでに開発済みである。

RFIDの可能性

 RFIDシステムの活用はサプライチェーンのあり方を変える。在庫管理はもちろんのこと、店頭において自分の嗜好に沿ったサービスを受けることが可能になる。RFIDカフェでは、RFIDタグを使った喫茶店のシステム・サンプルを紹介している。バックエンドには個人情報を格納した巨大なストレージ・サーバが存在し、それらのデータを分析して顧客の行動を導き出すビジネス・インテリジェンス・システムが存在する。

クールタウン写真3
クールタウン写真4

医療現場、そのほか

 医師が患者の症状を紙のカルテに書き込むと、情報がその場でデジタル化され、サーバに格納される。ペン先にセンサーが搭載され、そのセンサーが筆跡をデジタル・データに変換するのである。

クールタウン写真5

 そのほか、パスポートに埋め込まれた本人確認技術、紙にタグを付加することで、管理を容易にする“インテリジェント・ペーパー・トレイ”など、情報技術を活用することで便利になるわれわれの生活の「少し先」が同センターでは見ることができた。

 これらのシステムは、いずれもネットワークやサーバといったバックエンド・システムが文字通り背後に存在し、堅調に稼働し続けるということを前提としている。個々のアプリケーションについてHPが言及することはない。同社が注力するのは、あくまでも情報システムにおけるインフラストラクチャの構築・運用という側面である。

(@IT 谷古宇浩司)

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