「短期間で安価に高品質」をアピール

標準仕様でホスティング環境を構築、IBMが提案するアウトソーシングの新形態

2007/05/30

 日本IBMは5月30日、アウトソーシングの新サービス「アプリケーションズ・オンデマンド」(以下AoD)を開始すると発表した。標準化したシステム構成とプロセスに基づいてシステムの導入・構築作業を行う。従来型のホスティング形態と異なり、顧客独自の仕様変更には対応しないが、その分、導入期間の短期化とコスト削減をウリにする。システム構成と導入プロセスの詳細は非公開。

日本IBM写真 日本IBM 執行役員 アウトソーシング・セールス事業担当 平手智行氏

 米国にあるIBMのデータセンターにあるシステムを利用し、IBM側でハードウェア、OS、ネットワークなどのインフラを用意する。システムの保守と運用もIBMが行う。日本の専任担当員のほか、米国データセンターの担当員と、インド・オーストラリア(ソフトのアップデートなどを行うコマンドセンターがある)の担当員がシステムの面倒を見る。

 対応するビジネス・アプリケーションの第1弾はSAPのERP。先行する米国ではオラクル、シーベル、ピープルソフトにも対応したメニューを用意している。

 SAP対応AoDのサービスメニューは2種類。

 「デベロップメント・サービス」(開発・導入支援)は、SAPを新しく導入する顧客向けに開発環境を提供するもの。アプリケーション開発や保守およびBasis(SAPの基盤コンポーネント。DB管理や構成管理など)設定の技術支援は別メニューでの対応となる。月額約110万円から。「フルサービス」(本番運用)は、SAP環境を有する顧客および「デベロップメント・サービス」で開発した顧客向けの本番運用サービスである。月額約220万円から。なお、いずれもSAPのライセンス購入は顧客が独自に行う。

 「フルサービス」は4つの標準サービス(ディスク容量やSAP値などでレベルが異なる)と、オプションサービス(追加ディスク、追加SAP値、追加インスタンスなど)で構成されている。基本契約年数は3年。

 今回発表したサービスは米IBMが2005年に買収した米CorioのASPサービスを引き継いだもの。Corioはホスティング環境を用意し、顧客に対してアリバやエピファニー、オラクル、シーベルの機能を提供していた。

 AoDの日本国内におけるSAP以外のアプリケーション対応は明らかになっていない。

関連リンク

(@IT 谷古宇浩司)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)