「当面は商用ソフトが主流」
仮想化ソフト市場は6年で4倍に、富士キメラが予測
2007/05/30
民間調査会社の富士キメラ総研は5月30日、国内の仮想化ソフトウェア市場が2012年度までに現在の4倍以上に成長するとの調査結果を発表した。サーバ統合の需要が大きく成長を後押しするとしている。
複数のサーバで稼働する業務を、仮想的に分割した1台のサーバに統合する仮想化ソフトウェア市場の規模は2006年度で23億円。富士キメラ総研は「低価格なPCサーバが普及し、LinuxサーバやWindowsサーバといった一般的なサーバ向けの仮想化ソフトが充実」してきたとして、2012年度には100億円の市場規模になると予測する。
富士キメラ総研は「現状では新しい技術に対する不安から静観しているユーザーが多く、今後先進ユーザーの間で利用が進み、静観しているユーザーへと波及することで一気に導入が加速し、市場急成長の期待が大きい」とも分析する。
仮想化ソフトウェアではXenなどオープンソースソフトウェアも注目されている。しかし、富士キメラ総研は「製品の完成度や管理対象ソフトウェアの少なさなどの問題があり、実用に耐えうるかといった部分でエンタープライズレベルでの利用は慎重にならざるをえず、当面は商用ソフトが主流とみられる」と見ている。
最もオープンソースソフトウェアがさまざまなカテゴリで注目を集めている現実もあり、富士キメラ総研は「今後オープンソースが大きな潮流になることは十分に考えられ、商用ベンダもオープンソース製品への意識から入門的な簡易製品の無償提供を開始している」と指摘。「基本ソフトは無償で提供し、運用や管理面で仮想化を支援するといった部分で収益を上げていくビジネスモデルの普及も十分に考えられる」としている。
富士キメラ総研は、日本版SOX法施行などの追い風を受ける国内アイデンティティ管理製品の市場も、2006年度の36億円から2012年度には115億円に急成長すると予測している。
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