矢野経済研究所が調査

無線ICタグは「知っているけど、使っていない」

2007/06/01

 民間調査会社の矢野経済研究所が6月1日に発表した調査結果で、RFID(無線ICタグ)の「知っているけど、使っていない」現状が明らかになった。矢野経済研究所は、RFIDシステムのベンダは「認知向上からシステムの実運用促進へと、大きなシフトチェンジが求められている」としている。

 調査はRFIDのユーザー企業になることが考えられる、製造、物流、流通、アミューズメント、レンタルリース、セキュリティ・文書資産管理の6業種・310社を対象に実施した。

 RFIDシステムを「現在利用している」と答えたのは全体の7%に当たる22社だった。対して、「利用したことはないが知っている」と答えたのは92%の285社。認知は確実に広がっているが、実用が伴っていない現状が見て取れる。業種別では、対象企業のうち、アミューズメント業界だけがRFIDシステムを使っていない。ほかの業種は少数だが採用企業があり、レンタル・リース業界の企業では13%(4社)、セキュリティ・文書資産管理業界では15%(5社)が使っている。

 現在最も利用されているRFIDアプリケーションを聞いた質問では、回答にばらつきがあり、矢野経済研究所は「(RFIDは)トレーサビリティのみが取り上げられてきたが、今期に至ってアプリケーションは非常に細分化の兆しを見せている」と分析している。

 回答で多かったのは、防犯セキュリティ(13%)、物流倉庫管理(10%)、在庫管理(13%)など。ほかにトレーサビリティや生産工程管理、出荷管理、文書管理などが挙がったがいずれも10%未満で、RFIDシステムが多様な使われ方をしていることが分かる。

(@IT 垣内郁栄)

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