トランスコスモスとフロム・ソフトウェア、産業経済新聞社が合弁会社
「現実世界の東京をリアルに再現」した3Dバーチャルコミュニティ
2007/06/05
トランスコスモスとフロム・ソフトウェア、産業経済新聞社の3社は6月5日、インターネット上で3Dバーチャルコミュニティ事業を展開する合弁会社「ココア」(Co-Core)を設立したと発表した。2007年冬のサービス開始を目指す。
カーナビゲーションシステムと同等のデジタル地図をもとに再現した東京をインターネット上に構築する。東京23区内のランドマーク的な建物をあらかじめ作っておき、そのほかの“空き地”にユーザーが建物などを建設できるようにする。
土地の割り当てについて「詳細な仕様は決まっていない」(トランスコスモス 専務取締役 森山雅勝氏)が、6月5日に試験的な試みとして法人を対象に渋谷区の住所ベースの区画の仮予約を開始した。個人ユーザーについては「(仮想空間内での)当面の居場所が必要だという認識があるので、渋谷周辺にマンションを建設し、部屋を割り当てるなどの方法を検討している」(同)。仮想空間内では仮想通貨を流通させ、擬似的な経済活動が展開できるようにする。
仮想空間のデザインおよびプログラミングはゲーム制作会社のフロム・ソフトウェアが担当、トランスコスモスがビジネス企画、開発、サービス運用などを行う。産業経済新聞社は、仮想空間事業の普及活動やメディア事業の展開を行う。
東京23区を仮想的に構築し、経済活動や表現活動など現実の活動との接点をアピールする。米セカンドライフ(リンデンラボ)といくつも相似する点があるが、セカンドライフと比べて、誹謗中傷表現や風俗関係の情報・表現といった“公序良俗に反する行為”の排除には意識的であり、また、セカンドライフほどユーザーに行動の自由を与えないことで、仮想世界の秩序を保とうとしている。ただし、このことはPC初心者の利用を前提していることからくる使い勝手のよさを目指したもので、例えば、建物を建設する際にも、セカンドライフでは立方体を組み合わせて文字通り1から構築するが、ココアが提供するサービスでは、「建物を建築するための特定のインターフェイスを用意するなど」(フロムソフトウェア 代表取締役 神直利氏)操作が容易なプログラミングツールを提供する。
「安心して住める仮想空間」という世界を実現するため、ユーザーにある程度の行動制限を強いる。今回合弁会社を設立する3社はこの基本思想を共有している。森山氏は「この仮想空間に東京の未来が築けるのではないか」と期待を寄せている。
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