仮想開発環境も視野に

IBMがSecond Lifeで開発者を支援

2007/06/13

 米IBMがSecond Lifeで開発者向けに熱心な活動を行っている。フロリダ州オーランドで開催されているIBM Rational Software Development Conference 2007のゼネラル・セッションがSecond Life内に設置された施設(CODEATATION)で観られるほか、同社のフェローであるグラディ・ブーチ(Grady Booch)氏のアバターと話をすることもできる。CODESTATIONはSecond Life内に設置された開発者向けの仮想フォーラムである。開発者はこのフォーラムで開発アイデアやコードに関する情報や意見を交換することができる。

 6月21日には「developerWorks Live! Technical Briefing in Second Life」をSecond Lifeで開催。7月には「Codeing Challange」というイベントを実施予定。このイベントもCODESTATIONで行われる。LSL(LindenLabのスクリプト言語)の技術力(スクリプティングスキル)を競うもので、Dr.Dobb's Journal(米国の開発者向け情報誌)が協力する。

 同社は開発者向けコミュニティ(developerWorksおよびalphaWorks)を活性化することで、次世代技術の育成に熱心に取り組もうとしている。Second Lifeというメディアを活用して開発者とのコミュニケーション機会を増やすのもその施策の一貫である。3月にSecond Life内に立ちあげると発表した「developerWorks Exchange」は、開発者同士がコードやプラグイン、開発のアイデアなどを交換したり、共有できる場である。

IBM写真 米IBM Chris Spencer氏

 仮想空間内でアバター同士が共同でプログラムの開発を行い、そこでバイナリコードをリリースするという考え方がある。仮想空間内にIDEを用意して、システム開発が行える環境を整えようというものである。Virtual Development Environment(VDE)と呼ばれるこの開発スタイルは、開発方法の1つの可能性として考えられているに過ぎないと米IBMのChris Spencer氏は言うが、近い将来、Second LifeのCODESTATIONが、IBMの多くの開発拠点と同様の機能を持つようになる可能性は否定できない。

 なお、alphaWorksでは、8月に企業向けマッシュアップ・アプリケーション基盤「QEDWiki」を公開する予定。

(@IT 谷古宇浩司)

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